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ミニ四駆に悔いを残していたら過去に飛ばされたの巻  作者: さかざき


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40/57

映画館5


決勝ラウンド

耐久チームバトル


【ルール説明】


チーム3人がそれぞれマシンを作成し、45分間の耐久レースに挑む。

コースを走れるのは、各チーム1人のみ。


選手の交代は、コース上に設けられた交代スペースでのみ可能。

交代は無制限で、希望する場合はフラッグを上げて申告する。


待機しているメンバーは、その間自由にセッティング変更が可能。


バッテリーは各チーム8本、つまり4セットが支給される。

メンバー間でバッテリーのやり取りは禁止。


バッテリーは1人につき1セットは保有すること。


同一パーツは、各チームにつき最大5個まで支給。


45分間で、最も多くコースを周回したチームが優勝となる。


ルールは、既に事前に説明されていた。


それを受け、各チームは自然と声を潜め、作戦会議を始める。



ユウのチームでも意見が飛び交っていた。


「バッテリーはユウが2セット持てよ」

「いや、ここはユリ先輩でしょ」

「えー? ユウが持ってた方が勝ち目上がるでしょ?」


ユウは少し間を置き、頭の中で考えを整理する。


「いい? 時間がないから、僕の話を聞いてほしい」


普段とは違う、覚悟を感じさせる表情に、2人は自然と口を閉じた。


「僕も、もちろん勝ちに行く」


「モーターは、コースを見る限りトルクチューンがベストだと思う。

ルール最大数の5個を用意しよう」


「45分の耐久だと、バッテリーだけじゃなく、モーターも確実に熱ダレする」


「それと、コウスケ用にレブチューンも何個か用意しておくといい」


一呼吸置いて、ユウは続ける。


「バッテリーは、ユリ先輩が2セット持ってほしい」


「僕が持つより、ユリ先輩が持った方が、勝ち目があると僕は思う」


そして――


「それに……

ユリ先輩が主役の“劇場版”でしょ?」


一瞬、ユリの目が潤んだ。


「……やぁぁってやるぜ! ユリパンサー!!」


吠えるように叫ぶユリ。


「で、順番はどうする?」


「ユリ先輩に、先発で走ってもらいたい」


「僕とコウスケのセッティングは、限られた作成時間じゃ終わらない。……だろ?」


ユウの視線を受け、コウスケはニヤリと返す。


「確かに……プラス2.30分は欲しいとこだな」


「ユリ先輩には、先に走りながらコース状況を見てもらう」


「その間に、僕たちはマシンを仕上げる」


「交代後は、状況に合わせてセッティングを変えつつ、情報を伝えてください」



コウスケとユリは、ユウの冷静な組み立てに驚きつつも、すぐに賛同した。

3人は短時間で役割を整理し、具体的なプランへと落とし込んでいく。


スタジオ全体が、静かな熱気を帯びていた。


中央に設置された巨大なコースが、

これから始まる戦いの異質さを、無言で語っている。


ストレート。

テクニカル。

そして、そびえ立つ高さ2メートル以上の上り坂。


テレビ企画らしいド派手な造形だ。



収録開始直前、ユリの姿が見当たらなかった。


「あれ? ユリ先輩は?」

「さあ、トイレじゃない?」


そんな会話をしていると――


「決勝ラウンド、始めます! スタンバイお願いします!」


カメラが回り始める直前、ユリが姿を現した。


……


ユウとコウスケは、目を合わせ、そっと視線を落とす。


(……やっぱ、あるよな)

(今日は、エヴァか……)


アスカ・ラングレーの姿で現れるユリ。


カメラが回り、選手インタビューが始まると、

中村ゆうじは当然のようにユリへ質問を浴びせた。


何のキャラクターなのか。

ジャパンカップで有名になった話。

テレ東番組の宣伝ありがとうございます、というお礼まで。


ユリは、練習してきましたと言わんばかりの受け答えで、すべてを捌いていく。


そして――



決勝ラウンド!!


「用意――スタート!!」


参加者全員が、一斉に資材ブースへと駆け出す。


ミニ四駆。

パーツ。

必要なものを、迷いなく掴み取っていく。


各チームが作業台に戻り、マシン制作が始まった。


ユウたちも、必要パーツを揃え、黙々と手を動かす。


……


作戦通りに進み、流れは非常にスムーズだった。


他チームでは、パーツ被りが5個以上発生したり、

セッティングを巡って言い合いになる場面も見受けられる。


そして――


作成時間が終了。


いよいよ、決勝戦が始まる。

Xにてイメージイラストを追加しました。

今回はコウスケのイラストになります。

https://x.com/wkulsvtlvq1710?s=21&t=AZrLSqSZ0HmgnLpzFUCbNA

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