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ミニ四駆に悔いを残していたら過去に飛ばされたの巻  作者: さかざき


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22/57

名案

各地方で予選大会が始まろうとしていた。


そんな頃、久しぶりに4人が顔をそろえた。


場所は公園。

東屋のテーブルを陣取り、進捗状況や雑談をしている中ユリがふっと顔を上げた。


「色々考えたんだけどさ。あたし、別の地区予選大会に出るわ。」


その一言に、場の空気が一瞬止まった。


「え?!」


3人がほぼ同時に声を上げる。

誰もが予想外だという表情を浮かべていた。


「だってさ、同じ地区予選にみんな出たら、全国に行けるのは1人だけでしょ?

それ効率悪くない?」


「正直に言うけど、ユウは強敵だし、コウスケもかなり仕上がってる。

どうせなら、全国で戦いたいじゃない?」


淡々と語るユリの声には、迷いがなかった。


ユウは腕を組み、少しだけ視線を落とす。


――なるほど。


全国で、また並び立つ。

それは勝つ以上に、価値のある未来かもしれない。


「……悪くないな」


短くそうつぶやき、ゆっくりとうなずいた。


その隣で、コウスケが勢いよく声を上げた。


「ユリ先輩、頭いいな!

その発想、全然なかったわ。」


ユリは少しドヤ顔をする。


「で?ユウとコウスケはどうするの?」


ユリが問いかけると、コウスケが即答した。


「その話、乗った!

同じ地区で潰し合うのも勿体ないし、俺も別のところで予選出場するわ。」


「僕も構わないよ」


ユウも同意した。


「決まりね。」


ユリが手をたたく。


「ふむ。それならば拙者が予選会場までお送りいたそう。

各予選は別日ゆえ、みんなで応援に行くのも一興でござろう。」


「いいね!いいね!」


と、コウスケが続ける。


「他のレーサーの視察もできるしさ。

各地で応援し合って、全員予選突破。全国で戦うわけだ。」


ユリは拳を握り、声を弾ませる。


「くうぅぅ!なんなのこれ、燃えすぎでしょ!

最終回に相応しい激アツ展開じゃない!」

「ド◯グスレイブ撃つくらい全力出すわ!!」


その様子を見ながら、ジョンがユウに視線を向けた。


「して、師匠はいかがお考えでござろうか。」


全員の視線が、自然とユウに集まる。


「面白い案だよね。

近場なら、静岡、埼玉、神奈川、東京あたりかな。

移動も現実的だし。」


「よぉーし!」


と、コウスケが拳を突き上げる。


「じゃあ最終調整だな。

みんなで全国行こうぜ!」


「「「おおー!」」」


と、声が重なる。


拳が重なり、空気が一気に熱を帯びた。


その輪の中で、ジョンがユウに小さく合図する。


(師匠……お馬の予想、一緒に考えてほしいでござる)


それを見て、ユウが苦笑する。


(抜け目ないんだから……)


誰かが全国に行く、ではない。


全員で全国に行く。


そんな最高にワクワクする目標が、この瞬間、自然に決まった。

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