第40話 緊急会議
鬼怨組をどうするか、合宿を継続するか、緊急で会議が行われることに。
一般スタッフ枠として集まってくれた、冒険者のみなさんも交える。
「全世界規模で、ダンジョンに携わる関係者の割合は、『エンタメとして平和にエンジョイしたい』のが九割。対して『そうではない』一割が存在します。鬼怨組のスタンスは、後者です」
麝香学園の代表、嵐山生徒会長が、解説をした。
「魔物はダンジョンにおいて狩られる側だから、人類に反逆しているという線は?」
「それもあるでしょう」
「おかしいですよね? 今は魔物だってダンジョンを攻略する側じゃないか?」
冒険者の一人が、異議を唱えた。
「彼らの主な目的は、ダンジョンに眠るお宝です。ボスを狩ってアイテムを手に入れても、市場に回しません。自分たちで独占しています」
「素材やアイテムを、魔物が手にする意味は? 使わないじゃないですか?」
「体内に取り込むんですよ。そうやって、彼らは自らを強化するんです。お金になりそうなものは、自分たちで抱えて、人間側に法外な値段で売りつけます」
主催である麝香学園によると、この島における鬼怨組の妨害は、今に始まったことではないらしい。
合宿を開催する度に、色々と嫌がらせを行うという。
そのため、麝香学園は主催がしたくてもできない状態だった。
この一帯が限界集落なのも、すべては鬼怨組が暴れているせいだとか。
「実は、成人の冒険者さんたちを集めたのも、この合宿を円滑に済ませるためでした」
それが、他の学園が出した提案だったらしい。
鬼怨の妨害行為を、大人の冒険者が食い止めること。
しかしぶっちゃけ、それも満足に機能していない。
「よっしゃ、はるたん。潰そう」
「モモに同意~」
はるたんに引き続き、デリオン姫や綿毛に、ピオニまで手を挙げる。
他の勇者高校生徒だと、ティナと野呂先輩も同感してくれた。
「簡単に、言わないでくれないかしら、金盞花 のみなさん!? 出くわしたこともないくせに!」
「いや、戦ったよ」
蓮川先輩が怒鳴ると、野呂先輩が反論する。
「アスカまで、そんな冗談を!? 鬼ってベテラン冒険者が、二人がかりでやっと追い払えるのよ。学生の私たちが勝てるわけ……」
「この二人は、勝ったよ」
あたしは胸を張った。えっへん。
「冗談でしょ……」
「いや、金盞花なら、ありえるぞ」
勇者連合学園の二年生らしき生徒が、箸をおいてあたしたちに視線を向けた。
「ヤバイ一年が入ってきたから、金盞花はダンジョン部を復活させたって」
「そうよね。優勝常連だった巳柳とドワ女もやられたって」
二年生一同が、話し合う。
「それでも、鬼に勝てたなんて信用できないわよ」
なおも、蓮川先輩は信じてくれない。
「まあ、ウチらもちゃんと勝てたとは思ってないけど」
「だよなー。やるからには、完膚なきまでに叩き潰したいよねー」
「だね。やるしかない。それでもって、合宿のカリキュラムも普通通りやってしまおう」
日和る冒険者たちに対して、あたしたち学生たちは全員やる気だ。
蓮川先輩を除いて。
「あなたたち、生産職組よね? 先陣をきって、戦うの?」
「戦うけど。もちろん、生産もがんばるよ。素材を使って、簡易的な防具を作ってあげる」
ミッションの開始時間を一時間ほど待ってもらい、勇者学園用の装備を開発することに。
全員にシールドと、武器を持つ方の腕を守るアームプロテクターを開発した。
「すげえな、お前ら。レア素材っていうから、一人に最強の防具でも作るかと思ったぜ」
「それでもよかったんだけど、誰が狙われるかわからない。なので、全員の生存率を上げた」
ピオニからの質問に、はるたんが答える。
あたしたちの腕や姫の魔力なら、ハイエンドな一品物も作れるだろう。だが今回は、激戦が予想される。そのため防具は、量産できて取り回しが利くタイプのほうがいい。
「どうなっても知らないわよ?」
「それは、鬼怨組が思い知る番だから」
絶対、ぶっ飛ばす。




