アマチュアは紙にルールを書く。
「救世剣祝福! 命の恵み……!」
「ゴハッ!」
――俺はそうして目を覚ます。
「あ、起きた?」
心廻が倒れている俺の顔を覗き込んでくる。
「あぁ……俺の傷が治ってる……?」
そう確かにあの時……大量の矢が俺に突き刺さった。
だが今の俺の体はなんともないどころか……体から活力が湧いてくるレベルで元気だ。
「うん! 私の救世剣祝福の命の恵みで私の生命力を分け与えたから!」
なるほど……つまり、心廻の命を代償に俺を回復させたってこと……か……?
――!?
「お前……!? まさか、寿命とか減ってないだろうな!? 命を代償にしてないか!?」
俺は心廻を心配し過ぎて取り乱す。
「もう〜! 心配しないでよ! 私の腕のデバイス……ワールドエディタを着けてる間は私の生命力は無限なんだよ?」
「なんだ……よかった……? いや……! それでも俺の為にそんな事までしなくてもいいのに……」
そう、俺の為に心廻の命が減らされるなんてあってはならない……例え無限だとしても……。
「大丈夫だって! それに今回は私も少しやり過ぎたからさ! これはお詫びの命ってことでね?」
「なんだそれ……」
意味のわからないお詫びを貰ったところで、俺は実行しようとしていた事が出来なかった事を思い出し少し苦い顔をする。
「どうしたの……? あ、あわわ! やっぱり……私やり過ぎて亡が自信なくした……? ごめんね? よしよし、君は強いから大丈夫だよ?」
心廻がいきなり取り乱し、頭を撫でてきたので……少し負けてよかったと思いながらも……心廻に心配かけない為にも否定をする。
「大丈夫だ、俺は自信を無くしたんじゃないよ……」
「え? あぁ……そうなんだ……それならよかったよ……!」
心廻がほっと胸を撫で下ろす。
「じゃあなんでそんな顔してたの?」
「それは……」
それは……初めて会った時に使われた、時の大遅刻……。
その力を突破する為に俺は裏で考えていたのだその突破法を。
それを試せなかった事が俺の苦い顔の原因だが……。
「いや、なんでもないよ……」
「えー!? なに!? 隠し事!? ちょっと!? プロの私でも分からない事って何? あ! ちょっと……! 勝手に帰ろうとしないでよ! 私も帰る!」
心廻が動き出した俺を見て空間格を施錠し元の王都の道に戻る。
そうして……。
□ □ □
寮の部屋に帰ってきた。
「お帰りなさい亡……ってどうしたのですか……!? その服の汚れ……!」
夜桜が帰ってきて玄関まで迎えにきて俺の服の汚れを見て驚き、慌てる。
「それは……その……少し心廻とバトルして負けたのさ……」
「なるほど……心廻! 私の愛しの亡をよくも……!」
夜桜が怒りを露わに心廻に向ける。
「ちょっと!? そんなに怒られる事!? ちゃんと回復させてあげたし……さ……それに私も少しやり過ぎたかな〜って思ってるから!!!」
「許せません心廻! 許せませんよ……!」
夜桜はご乱心だ。
「夜桜……落ち着いてくれ……俺も納得した上での勝負だし勝敗も俺は受け入れてるから……」
「そうですか……」
夜桜は俺にそう言われると……落ち込んだ犬の様にしょんぼりしてリビングに戻る。
「さ、お菓子を棚と冷蔵庫に入れておくから、シャワー入って亡!」
「分かった、ありがとう」
心廻にそう促されたのでシャワーに入る。
□ □ □
シャワーから出ると既に準備は万端と言った感じで皆がリビングに集合していた。
「来たね亡! じゃあルールを説明して貰って部屋割りを決める権利を手に入れるゲームを始めよう!」
「そうだな……待ってろ……分かりやすい様に紙に書いてやる」
そうして……。
「よし! 出来た……!」
「おー! これがルールなんだね?」
「なるほど……難しそうですが……亡との同室の為に必ず勝ちます!」
「言ったな〜? 私だって負けないからね?」
「こら! 二人ともまた小競り合いをして! ちゃんとしなきゃ駄目ですよ!」
そんな言い合いして居る二人と海月を見て……改めて思う……。
部屋割り……バトルで決めなくて良かったな……。




