アマチュアは教育する。
「龍波! 貴方そんな事言って! 七理という者の責務としてしっかり教育を受けるのは当然の事ですよ……」
雫が龍波に説教を始める。
「うるせぇな! お前はいつも俺に突っかかるな!? お前もこの教師共と一緒にボコすぞ!」
龍波も負けじと声を荒げ抵抗する。
「あれ〜? でも龍波、お姉ちゃんにいつも負けてるらしいじゃん! ぷっ!」
藍が龍波を煽り散らかす……。
「あ? お前は新入りのくせに生意気なんだよ! 大体おかしいだろ? 見学で七理を倒したから七理入りだと? どこまで甘いんだ? あのクソ学園長……!」
夜桜……言われてるぞ……。
「いい加減にしろ……三人とも! 生我先生達が困った顔をしているだろうが!」
いや、確かに困ってはいたが……別にそこは俺と水流先生が何とかするんだけどな……教師だし……。
「信! お前もお前だ……! 何リーダーヅラしてるんだ? 俺は誰の言うことも聞かない、俺より強い奴じゃないとな……!」
「へー……私には負けたよね?」
心廻がいらない挑発をする。
「あ? あんなのは不意打ちだろが!?」
「じゃあさ、そこの生我先生と決闘したら? どうせ龍波が負けるよ?」
いらない、いらない、そんなサポート……。
いや、逆に考えるとこれはチャンスでもある……。
ここで実力差を分からせれば今後龍波を御しやすくなるかもしれない……。
「……分かった、龍波……俺と決闘をしよう、負けたら俺の言う事を聞かないでも結構だ」
「ほう、面白い、なら戦闘訓練場の個室訓練室で待ってるぜ?」
「あれ? 個室なんだ? あれ〜? もしかして負けるのを私達に見せたくないのかな〜?」
個室訓練室……。
それは生徒が個人同士で訓練する場で中で何が起こっているか他の生徒からは見えない様になっているため勝敗や実力を把握されない様になっている。
「はっ! 勝手にほざいてろ」
そうして龍波は教室から出ていった。
「本当にやるんですか……生我先生……」
水流先生が心配そうに声をかけてくる。
「ええ、確かに前回は負けましたが、今回は勝ちますよ」
「そうですか……気をつけてくださいね、相手は七理なんですから……」
心配するのも当然だろう。
なにせ、俺は一度草羽亡の状態で龍波に負けたのは公然の事実でしかない、それしか知らない水流先生が心配するのも分かる。
「せん〜せい〜……頑張ってね!」
心廻がそう俺に耳打ちして席に戻る。
「行くか……」
□ □ □
そして龍波がいる戦闘訓練室に入る。
「よう、待ってたぜ、俺に負ける雑魚」
「自信だけはあるようだが……俺は七理の教師になった男だ……舐めてると痛い目見るぞ?」
「ご忠告どうも……だが……痛い目見るのはそっちだぜ!」
その瞬間、地を蹴り龍波は哀愁を振りかざす。
「!」
それを特に危なげなく避け、直ぐに戦闘態勢に入る。
相手の剣先が放つ熱気が丁度良いウォーミングアップになる。
「はっ! 本気じゃないとは言え卑怯な不意打ちによく反応したな……」
「そりゃ本気じゃないんだから避けれるだろ」
「そうかい! 行くぜ……! 火葬!」
龍波は哀愁を地面に突き刺し地面から大量の火柱が噴き出す。
「なるほど、あえての目眩ましに使うか……」
正直言うと、龍波程度一瞬で倒せるが……。
俺にもこいつが無能力者な事について、少し思うところがあるので、今回は遊んでやる事が俺が龍波に出来る思うところについての謝罪だった。
そうして……。
「上か……」
「勘が鋭いな! そうだぜ! 円火・火傷!」
円状の炎を発生させその軌道に乗って回りながら龍波が滑り落ちてくる。
「……知ってたか?」
「あ?」
「上からの奇襲に対抗する方法」
「そんなもん、実力さえあれば何とかなるだろ!」
「違うね、実力があっても奇襲は奇襲、そして上から相手の武器は大剣……ならこうする!」
「ぐはっ! なんっ! で……?」
そうして龍波は倒れた。
「教えてやるよ教師として、上からの奇襲には横に移動? 下に潜る? 違う……ギリギリまで引き寄せて、倒れ込みながらの蹴りだ」
そう俺がやった事は単純だ、ギリギリまで落ちてくる龍波を引き寄せて、その瞬間の剣先の軌道が俺の背中の場所に来るように俺は前に滑り込むように倒れ込めばいい、そうビーチフラッグの時の旗を取る様に倒れ込めば、相手の大剣が俺の背中があった場所の地面に突き刺さる。
どれだけ怪力だろうと、隙をなくそうとやはり、隙は隙だこちらが早く起き上がり蹴りを叩き込めればそれで終わりなのだ。
なにより前に倒れ込む事で完全に倒れ込むのではなく腕立て伏せ状態になる、そうなれば直ぐに腕の反動で立ち上がる事が出来るのだ。
「ここは、テストに出るといいな、まあ、俺は知らないが」
そうして龍波との決闘は終わった。




