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異世界経験豊富なプロと行く!〜無能力者の学園生活〜  作者: 啓上秋
一章アマチュアはプロと出会う。
10/29

アマチュアは就職先が決まる。

 

 心廻と夜桜に協力すると決めた後、話しは早いほうが良いと心廻が言うので、早退したのにもかかわらず、学園長室まで戻って来た。


「やぁ亡、心廻、それで……協力する気になってくれたってことでいいのかな?」


「そうだな、心廻から何となくの事は聞いた、だからこそ夜桜、お前の口からも詳しく話してくれ」


「そうだね、話をするよ、さ! 座って」


 そう促されたのでソファーに座る。


「何処から話すか迷うけど……亡は私達の世界を襲ったあの事件について結末を知ってるのかだけ教えてほしいな……」


 あの事件……そう、それは、俺がずっと逃げ続け目を逸らして生きてきたあの事についてだろう。


「結末は……知ってる……」


「ホント……! じゃあ……! 教えて……! 私達の世界は……まだ存在しているの……?」


 夜桜が切実に震えながら、確認してくる。


「まだ……"存在は"してる、そしてあの2人も生きてるならそこに居る」


「そっか……安心しちゃいけないんだろうけども……少しは安心したよ……」


 夜桜は先程とまでは変わって、安心したのか……気付いていないが涙目になっている。


 元の世界に戻るための扉を作るくらいだ……。


 余程、元の世界に戻りたくて未練があって心配だったのだろう……。


「だが……夜桜、残念だが……世界食い(ワールドイーター)もまだそこに居るはずだ……」


 世界食い……それは食媒の親玉であり、贄の食卓と食媒が復活させようとしている存在達。


「そんな……じゃあ、いつ私達の世界が消滅してもおかしくないってこと?」


「そうだ……だから、俺達の世界が消滅すれば、この世界が次は狙われる、だから俺は絶望していたんだ……あの2人が倒せずに負ければ、俺一人ではどうしようもないから……」


 そうだ、俺は確かに強いかもしれない。

 

 だが……世界食いはそれよりも遥かに強い。


 正直、心廻の全てを知ってるわけじゃないが、心廻でも苦戦を強いられると俺は思う。


「なるほど、だから亡は、あんなに退学したがるくらいやる気がなかったんだね……」


 心廻がそう納得するが……俺はここで一つ疑問を投げかける。


「お前……前から思ってたが……俺の事も二人の事も知ってるってことは、俺達の世界で会った事があるのか?」


「それは……正解! その通り!」


「じゃあ、俺達は何処でいつ出会ったんだ?」


「それは……君が自分で気付くべきだと思うな、私は……」


「私もそれが良いと思います」


「……分かった、お前が何者で、俺とどんな関係だったか思い出して見せるよ、だって俺だって経験豊富な元プロだろ?」


「いや……? 私からすれば普通にアマチュアだよ」


「……はい……調子に乗りました……」


 完全に立場が逆転したな……。


「それにしてもなら、納得する必要あったか? 俺がなんで絶望してるのか、知ってるんじゃないのかよ?」


「私だって何でも知ってるわけじゃないよ?   亡がどうしてやる気をなくしたのか……詳しく知らない、ただ……あの2人が居ないのと君の態度から、何かがあった事だけは分かったよ」


 そうだったのか……確かに俺の事を知っててあの2人に言及できるのも、元の世界で会ってれば経験豊富なプロは何となく推理で揺さぶれるか。


「つまり、何か事情を知ってるのはプロとしての経験からの推理か?」


「そうだね、結構カマかけてた! テヘ!」


 やっぱり心廻は俺とは違い本物のプロだな……。


 早くそこに並び立てるように頑張るか……。


「それで絶望した事について詳しいこと説明してくれるのかな? 亡?」


「正直言うと……まだ立ち直りきってないから……もう少し待ってくれ、いずれちゃんと話す」


「うん! いいよ、待っててあげる」


「ありがとう、心廻、夜桜もそれでいいか?」


「はい、問題ありませんよ?」


 なら……と、理由は分かってるが一応夜桜に確認する事がある。


「扉を作ったはずだろ? なんでそれで俺達の世界に確認しに行かなかった?」


「それが……確かに他の世界に移動はできるんですが、何故か私達の世界にだけ移動できないんです」


「そうだろな、それは、あの世界で二人が世界食いを封印しているからだ、そしてその封印を解く二本の鍵は俺が持ってる……」


「あ、あの大切そうにしてた二本の鍵ってその為のものなんだ」


「そうだ……だけど生きてるか分からない、二人の為に世界食いまで、解放するリスクを考えると何も出来なかったんだ……」


 二本の鍵、何故、俺が持ってるのがバレたのか分からないが……。

 

 食媒は自分達の主人を復活させるためにあの鍵が必要だから俺を狙ったのだろう。

 

「とまあ、俺が今語れる事はこれくらいだ……後は夜桜からだな」


「分かったよ、まず、奴らの関係を整理しようか」


「そうだな、それがいい」


「まず世界食いが、宗教で言うなら神で、食媒が神の眷属……つまり天使、そして贄の食卓はそれを信仰する信者、ここまではわかってるよね?」


 そう贄の食卓は本質的には世界食いと食媒に何も関係がない厄介な宗教団体に過ぎないのだ。



「そして私達は、この国に入り込んだ贄の食卓を解体するのが目的、私が奴らに敵対してる理由は単純に、私達の世界を蹂躙した世界食いと、食媒を信仰してる奴らが許せないから」


 これで今後の目的と夜桜が何故敵対して、俺達の味方をしてくれるのかが分かった。


「じゃあ、まず何から始めるんだ?」


「ふふっ!」


「フフフ」


「なんだ、お前ら……」


 心廻と夜桜が待ってましたと言わんばかりに怪しい笑みを浮かべる。


「……よろしく夜桜!」


 そう心廻が合図すると……。


「亡! 貴方は暫くこの学園を休学しなさい!」


「は? いやいや、どうしてだよ?」


「決まってるでしょう? この学園で教師として働いてもらうからです!」


「は? は? は?」


 あまりにも唐突で何がなんだか分からなかった。

一話から九話までそこまで変わってないですが改稿したので是非お読み下さい。

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