#83 福音ノ書、第三楽章
「…畜生!また負けた…」
手を地面に強く打ち付ける。
負けたも何も、あんたから襲ってきたじゃないか。
しかも1回目は顔もほとんど見てないし…
「しかし、私は諦めない!きっとまた貴様らを…」
「はいはい。積もる話はまた牢屋でね」
カノンが出した、光の鎖に捕らわれた。
これも回復魔法か…とんでもないな。
「この人達を捕まえたところと、同じ牢屋に閉じ込めといて」
「趣味悪…」
レイズが連行されていく。
「覚えておけよ!いつの日か必ず…」
レイズの捨て台詞は、見えなくなるまで続いた。
…相当恨んでたんだな。
少し背が震える。
誰に恨まれてるか、分からないものだな…
「さて、元々ここに来た理由も解決できたし、帰る事にするよ」
先輩が手を叩いて言う。
「そうですか…一緒に旅をする願いは叶わなかったですね」
そう言えばそんな事…
「法皇だと、難しいでしょうね」
少し諦めが入っていた。
ただでさえ箱娘だったのに、更に外に出られなくなる訳で…
「それでも、いつかきっと…いけますよね!」
一転して、明るく言う。
「ローラスの神と、救世主を信じていれば、いつか必ず…その時は、お願いしますね」
「もちろん。またいつかね」
二つ返事で快諾。
最期の鐘は鳴らされたのだ。
「またいつか、会いましょうね」
国境への帰り道を再び歩く。
「いや〜大変だったね」
宗教関連だとややこしい事に…
「でも、楽しかったじゃない。処刑されかけたの初めてだよ」
「よくそんな呑気に言えるね…」
左手には、水色の印が写っていた。
「私から――最後にコレを」
手を重ね、僕の腕に当てる。
「なにこれ…?」
「これは、刻印です。私から、法皇としてではなく、一人の友人としての――」
そこには、図形を組み合わせたような…何かがある。
「いつか役に立つと思います。神の祝福がありますように!」
「いい子だったな…また会いたいな」
「不倫?」
「違う違う!」
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「なるほど、そういう事があった訳か」
大変だった…
「せめて給料を…」
「そうそう。これから君達の先導者になってもらう人がいるんだよ」
…話をきり上げやがった。
「入って来てくれー!」と廊下に向かい言った。
少しして、ドアが開く。
前まで歩いてきて、恭しく例をする。
「これから貴方たちの管理をする事になりました」
「セレナ、と申します」




