#79 tRanSpOsition
「!」
ガギンと音を鳴らせ、牢が閉まる。
「どうしてこんな目に…」
ローラス教って乱暴すぎないか?
禁忌を犯したからって魔女裁判まで持っていくとは…
「イテテ…あの人誰よ!」
先輩も立腹の様子。
そして、ルナはというと…
「あの野郎…調子に乗って、次会った時には…」
最早怨みである。
そういや恨みといえば…
「アイツ、僕達のことをだいぶ恨んでたな…」
「このままだと、死刑執行も時間の問題かもね」
どうして行く先々で事件に巻き込まれるんだか。
「事件が起きそうな場所に行ってるからでしよ」
この仕事…辞めようかな。
前にもこんな事あったし…
「そういや…ゼルティアの時の犯人って誰だっけ?」
「私が戦ったのは、"総統"ラセルフ=ケーセだけど」
誰だっけ?
「ゼルティア自治会のトップ」
そう言われても、ピンと来ない。
「ヴェルナが言ってたじゃない――って、合ってないのか!」
「私達は…黒死無双だよね」
あそこでフェイタルが変な行動したんだよな。
「じゃあ、黒死無双を動かしたのは?」
ルナの疑問。
それには回答できず、一瞬だけ無音が広まった。
「捕まえて…ない!」
つまり、今回の犯人はそいつか!?
「でも、大司教みたいな見た目のヤツいたっけ…?」
あの学校は広い。会ってないだけの可能性も…
「あ、あんな気配のヤツいた!」
…いつ?
「廊下ですれ違ったでしょ!情報部と!」
その言葉で、やっと思い出す。
「あーあいつ?変な感じの」
一人だけ妙に変な気配してたんだよな。
「アレが犯人で間違いないよ!」
記憶力のあるルナが言うなら…
「で、知ったところでどうするのよ」
先輩が水を差す。
「"犯人分かった"なんて言ったら粛清されちゃうじゃない。それに、このままだと本当に死んじゃうよ」
ああ!
何も出来ない。
「なにか持ってないの?」
剣も持ってない。
大司教に"神聖な場所だから"って言われたんだった。まさに無防備状態。
――大司教、策士だな。
なんて感心していると、ガサッって音がした。
ポケットから取り出す。
「コレは…」
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「さっきのあれは何だったんです?早くあの人達を解放しなさい!」
声を荒げる新法皇。
「落ち着いてください。彼らは国家の――」
「国家のなんだと言うのよ。あなたのほうが騒がしてるじゃないの」
それを聞いた大司教は、少しため息をついた。
「ですから、禁忌を犯した人を処罰するのがローラス教の教えでしょう。それと…"法皇が背徳者と一緒にいた"が世間に明るみになってもいいのですか?」
…言葉に詰まる。
「貴方って最低ね。昔はもっと優しかっ――貴方、もしかして…」
前法皇と、同じ答えにたどり着く。
「偽者…?」
大司教は、ただ笑みを浮かべるだけだった。




