#61 日本旅行、三日目
今日はめっちゃ短い。話の都合で…
「そんな事があったんですか…」
沈痛な面持ちで言われると、こっちまで変な気持ちになるじゃないか。
「でも、今は普通に言えるんですね」
…確かに。
克服したというより…慣れた?
それともなにか別の…?
「貴重な話をありがとうございました」
「なら、もう戻る」
部屋に帰ろうとすると、呼び止められる。
「ああ、明日は6時にロビーで集合です」
「6時?妙に速いな」
「明日は在来線ですから…」
6時30分 熱海発宇都宮行、各駅停車。
「ここが横浜か…潮の匂いが素晴らしいな」
「土の匂いの間違いじゃないの?」
雨と海を間違えるほど落ちぶれてないわ。
しかし、雨か…
7時57分 横浜駅着→京成高砂行、各駅停車。
「全ての道は日本橋から始まったんですよね。これて感無量です」
8時56分 日本橋→八千代緑が丘行き。
地下鉄に乗るのは初めてだな。
九州の北の方にしかないから…
9時17分 西葛西着。
「おります。ここから10分ぐらいの場所ですよ」
雨も止んだようだ。
私の隣、ルナは喜びのような表情を――
「遂にこれた!」
――ほとんど私とこの人のおかげだけどな!
感謝ぐらいしてほしいモノだ。
「あ、そうそう。そろそろ花火大会があるんですよ。よかったらいかがです?」
「いいね!行こうよ」
完全にはしゃいでいる。
気持ちは分かるが――
この少しの不安はなんなんだろうか?
「私も同じです。なにか引っかかるような…」
空にはまだ雲がかかっていた。




