#44 ゲルゼズの首都
ゲルゼズ共和国首都――ゲルゼスタン。
「ここがゲルゼズの首都…」
静かな町並み…というより、閑古鳥が鳴いている。
「地下がありそうな感じはしないね」
街が地下にある感じでもない。
「じゃあどうやって見つけるの?」
「黒幕が能力でも使ってくれたらわかるんだけどね…」
波動を見つけて位置特定。
「まぁ自分から場所をバラすようなことはしないでしょ」
「それもそうか…」
「でも不思議です。何故こんな事をしてるのでしょうか?」
「あの時助けたのもね――」
ゼルティアで、黒死無双に囲まれていた時。
次から次へと、倒していった。
「ただの敵だったら、そんな事するかなぁ?」
そうなんだよな…
シフリスやカルナを操って、一体何を企んでいるのか。
「……君とは、また会う」
あの言葉が、鮮明に残る。
何がしたかったんだろう…
「それでも、私達がするのはラスボスをとっちめて、元の世界に帰る!それだけだね」
先輩が明るく言う。
その言葉で、僕は気分が晴れた。
それとは対照的に、ルナの顔が曇る。
「そっか…。帰っちゃうんだ…」
ルナにとって、いつか来ると分かっていた別れ。
考えるのも、悲しいほどだ。
「ルナちゃん…」
「まあ、しょうがないよね。分かってたことだし」
明るく装うが、感情は隠しきれていなかった。
「あ、地下に入れそうなところあるよ」
ルナが指したのは、古びた階段。
これって…水道?
「行ってみよう!」
先輩が入ろうとする。
「ちょっと待って下さい。こういうのは大体…」
シフリスが、スキルで火を出し、水道に放つ。
ドォーン…
爆発が起きた。
「ガスが溜まってますね。入ると危ないところでした」
危険を回避できた。
とはいえ、目の前でガス爆発を食らった先輩は――
「そう言うのは先に言ってからやってよ!」
怒っている。
「考えもなく入ろうとしたからです」
「それでもさぁ…」
不満。
そろそろ止めるか…
「先輩、落ち着いてください」
――――――――――――――――――――――――
「そろそろか…」
一人で佇む"黒幕"。
手を伸ばす。
その先には、どちらの絶望か――
その直後
ドォーン!
「なにが起きた!?」
自分は、まだ何もしていない。
「こんな近くまで…」
即座に準備を始める。
地面に、魔法陣を生成。
その中心に立ち、魔力を放出する。
「これで…」
その顔には、笑みが浮かんでいた。
――――――――――――――――――――――――
「どうやって見つける?」
とりやえず、情報確認は作動させている。
流石に、もともと常時発動出来る代物。
そんなに苦ではない。
「相手が動いてくれたらね…」
奇跡を待つしかないのか?
その時、情報確認が反応。
「あ、来た…」
その後、異変に気が付く。
「だけど、なんか反応が大きいような…」
手慰みに打つような量ではない。
凄く巨大な…
思い当たる事は、一つ。
攻撃?
「ギャ~!」
先輩が、間抜けな声を出す。
ホントに来た。
「どうしたの?」
振り返ると、
「シフリスがいきなり押してきたの!何の恨みが…」
その当人、シフリスは、顔を歪めている。
「お願い…私から、離れて…」
「シフリス!?」
苦悶の表情。
首下、刻印の欠片が光る。
「いつの間に…」
思い出すは、さっきの波動。
アレが…
「ルナ!どうにか出来ない?」
「流石に無理!」
じゃあどうする――?
「きっとまた助ける!少し耐えていて!」
言い終わった途端…
――パァン――
シフリスが、ゆっくりと立ち上がる。
目は虚ろで、紅く染まっている。
操られている。
あの言葉が届いていることを信じて…
顔を見合わせ、一歩歩む。
再び、シフリスを救う為に…




