#41 レジスタンスの灯
「かかれ!」
ドカァーン!
爆音が響く。
「だ、誰だお前ら!?」
困惑している。
「俺達はレジスタンス!この国を変える、熱き心の持ち主だ!」
ボスの一声。
役人が反応する。
「チッ。せっかくいい手札だったのに…」
「それを言ったらまずいですよ。賭け事してたなんてバレたら…」
その言葉を、ボスは聞き逃さなかった。
「なにィ。賭けてただと…?この国が大変な時に?」
「ち、違う。誤解だ」
そこにいた幹部らしき人は慌てて訂正するが、もう遅い。
「歯ァ食いしばれ!」
鈍い音が鳴る。
バタッ
「管理官…?」
「安心しろ。気絶させただけだ。お前らも同じ目に…」
視線が残党に向いた。
「金ならやる。殴らないでくれ!」
懇願するが、聞き入れて貰えない。
「金なんかいらねぇ!これで終わりだ!」
ボディブロー。
なにしてんだ…僕達。
「やってやりましたよ。ホントに腐敗してたとは…
気付かせてくれてありがとうございます!」
ヤ◯ザ達に感謝されるが、僕は何もしていない。
◯クザの車で移動していたところ、政府の建物を見つけた。
そこを覗くと、
「山吹色のお菓子とは…お主もなかなかワルよのぉ」
「いやいや、代官様こそ」
幹部のワイロが明らかになったのだ。
それにボスは激怒。
そして、今に至る。
――そんな時代劇みたいな事ある?
「このままこの国を変えましょう!」
「オーーーッ!」
車に乗ることで、少しずつ進んできている。
「歩かなくて良かったね」
「ほんとにそう!」
ルナと先輩が言うが、これで良かったのか?
「否定も肯定もできませんね」
そうなんだよな…
「もし"社長"にでもバレたら…」
「それを心配する必要はないかと」
あ、そうなんだ。
「なぜなら、"社長"はゲルゼズに興味がないからです」
「へーー」
乾いた返事。
「そろそろ寒くなるので注意したほうがいいでっせ」
運転手が口を開いた。
「急に?」
「トンネル越えたらすぐですよ」
周囲が暗くなる。
トンネルに入ったんだな…
……このトンネル、怖い。
いつ落盤してもおかしく無さそうだ。
ゲルゼズの荒廃度がよく分かる。
「このトンネルも、昔は綺麗だったんですけどね。あ、昔って言っても30年前ですけど。
こんなふうになったのも…今の政府になってからですね」
この国の政府が少しでも良くなることを、願わずにいられなかった。
「あ、そろそろ出口じゃない?」
前方に光が見えた。
「うわっ!」
あまりの眩しさに目を閉じる。
(うっ、寒い)
目を開く。
山脈の長いトンネルを抜けると雪国だった。
まだ秋だよな…
「寒いーー!」
「だから言ったでしょう」
「よく普通にいれるね」
先輩も、とても寒そう。
シフリスは…
動じていない。
「なんか能力使ってる?」
「ええ、もちろん。体調管理を」
体調管理…?
「僕も使ってるけど…」
「だったら出来るハズです」
うーん。
まだ寒い。
それを見かねたのか、
「能力と言うのは本質を理解して使うモノです」
「説教…?」
「いいえ、事実です」
「もともと簡易魔法と言うのは能力王と言われた神格者:ユークレル兄妹によって作られたのですよ。知っていましたか?」
「いや…全然」
「まぁそうでしょうね。その中でユークレル兄妹は生活魔法を難しいモノとして扱い、その本質を隠す事にしたそうです」
今煽られた?
いや、それよりも…"その本質を隠した"?
つまり、情報確認も、本質は別にあるのか?
「体調管理の本質は、暑さや寒さ、極めるとある程度の痛みさえも感じさせない能力です」
「それ、昇華の話?」
ルナが割り込む。
「この方が知らないと言っていたので、教えていただけですよ」
「ルナも知ってたの?」
「もちろん。知ってるどころの話じゃないよ。友達だもの」
そう言えば…神格者だったな。
仲間内で話とかするんだろうか?
「"いろいろ悪用されると困るから隠した"だって」
あ、そうなんだ――




