表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/52

#39 国境の街

「そう言えば、ルナの能力(スキル)ってなんなのさ?」

先輩が放った一言。

確かに、と思った。

神格化しているから、とんでもなく強い能力(スキル)なのかな?

「スキルか――。滅多に人に見せないんだよね。それに、見ても地味だと思うよ」

神格能力(ディヴァイン)で地味…?

ますます気になる。

「やっぱりヤダな…」

「お願い!見せて」

先輩が懇願するが、聞き入れて貰えない。

その時、先輩がこっちを見てきた。

白石君も頼んで!

とでも言いたげな目だ。

「僕も――見てみたいな」

一拍間が空く。

「仕方ないな――。ほら、これ」

そう言って出てきたのは、光る珠。

「なんですか?これ」

シフリスが言う。

もちろん僕も――先輩も同じ気持ちだ。

「これはね…記憶を集めた珠なんだ」

「記憶なんか集めて、どうするのさ?」

「いや…集めるだけだよ。それが私のスキル:星巡記憶(エターニティメモリー)だからね」

エターニティメモリーか…

「便利なのは、記憶を忘れない事かな?」

それは記憶と言うか…記録では?

「地味だね…」

先輩が口を開く。

「だから言ったのに…」

変な空気になってしまった。

和ませなければまずいな。

いいモノは…

「あ、ほら、街が見えて来たよ」

そこには、小さいながらも立派な街があった。

「もうすぐ日も暮れるから、ここで泊まらない?」

「そうだな――」


街に入ると、見えたのは大きな柵。

「なにこれ…」

何でこんなもの…

「そこの人達。この先に生きたいの?だったらすぐに行った方がいいよ」

少年が言う。

「明日は行けないの?」

先輩が聞く。

「明日は…たぶん閉まってる」

閉まる?

「それ、どういう事?」

「明日からは暫く開かないんだって」


「どうします?今日泊まるのは難しそうですよ」

小声で先輩に聞く。

すると、意外な返事が返ってきた。

「白石君…私達は密入国しようとしてるんだよ。ゲートから堂々と入れないでしょ」

「今日はもう寝ようよ〜」

ルナが入る。

「初日から歩きすぎるのはオススメしません」

シフリスにまで言われた。

「だったら…泊まるか」

「少年。この辺の宿何か知ってる?」

「だったら…あそこかな」

そう言って指をさしたのは、明らかに高そうな建物だった。

「白石君。これに泊まるの?」

先輩は不安そうな目で見るが、こっちにはコレがあるのだ。


「こら、金が無いなら来るな。冷やかしなら結構だ」

「お金は無いけどコレなら…」

紙をヒラヒラと見せる。

バッ

あっ取られた。

「その紙がなんだと…」

途中まで言って、目を丸くする。

"ギルドマスター公認の冒険者"

費用は全て、ギルドが支払う事になる。

「こんな子供達が…?」

「お金がないって言うんだったら別の所行くけど…」

聞いた途端、態度が急変した。

「いやいや、ここに泊まっていいですよ」

へりくだる態度。

こうして、宿を得ることに成功した。



久しぶりのボッチ飯。

ルナは?先輩達はどうしたって?

もちろん別室だ。

女性三人と同じ部屋で寝る勇気は僕にはなかった。

そもそも、元の世界でも親の仕事の影響でボッチ飯は日常茶飯事。

悲しいが、慣れている。

それに、一人で泊まるのも良いものだろう。

誰にも気を使わないで済むし…

思っていて、なんだか悲しくなった。

今日はもう寝よう。


――――――――――――――――――――――――


女性部屋に、動く影がある。

シフリスだ。

彼女の楽しみは、夜中に温泉に入る事。

訪れた街の近くにある温泉には、必ずと言っていいほど入るのだ。

今回泊まっている宿にも、有名な温泉がある。

部屋を出て、生活魔法:簡易光源(ライター)を発動。

周辺の人を起こさない、優しい光。

シフリスは静かな廊下を歩きながら、考えていた。

内容は、自分の能力(スキル)について。

(私…あのまま元の世界に返した方が良かったの?)

こんな戦いに巻き込む必要もなかった…?

そもそも、操りが解けてからまともに使用していない。

浴室に到着。

(ここなら…)

スキル:時空跳躍(テレポート)を試しに発動。

その時、身体に異変を覚えた。

首下。刻印の欠片が光る。

「これは…!」

即座に発動を停止。

「今のは…なに?」


――――――――――――――――――――――――


明朝。いつも通りの時間。

荷物をまとめて外に出る。

最初の印象こそ悪かったが、流石に部屋は良かった。

まともに払うと、一人三万は越えるだろう。

ロビーに立つ人に感謝を告げ、宿を出た。

目指すは、柵の向こう側。

少しだけ、霧がかかっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ