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#31 ゼルティア戦争 開幕

―――――――――東館五階某室―――――――――

「チッ」

「今回も、失敗か」

そう言うのは、ゼルティア序列第二位ヘリエル。

男が聞く。

「お前が呼び出したアレは役に立つのか?」

「役に立つ…はずだったのに!」

邪魔された。

このままでは…

その時、扉が開く。

入ってきたのは、自治会総統ラセルフ=ケーセ。

「君には失望した。もういい」

そう言い、剣を一振り。

「な…ぜ…」

ヘリエルは消えた。

「これからどうするつもりだ?」

「私はあんなに遠回りはしません。直接揺さぶってやりますよ。全てはゼルティアの繁栄のために…」


―――――――中央館一階、応接室―――――――

「嘘だ!あの人がそんな事するはずが無い!」

「イリスさん。これは事実なのです。写真部から情報が回ってきました」

そう言って、写真を出す。

「そんな…」

「これについて、新聞を書いてください」

「私には…無理です。書けません…」

「きっと、彼女は操られているのです。それを救えるのは、貴方だけだと私は思います」

「操られてる…」

「そうです。コレを彼女に向けて、トリガーを引いてください。そうすれば…」

「助けれる…?」

「そうです。彼女を救えます」

「分かりました。きっと、やってみせます!」


――――――――高等部二年一組――――――――

「少し教室が騒がしいような…」

扉の向こう。

ざわめきが、波のように押し寄せてくる。

「なにかあったのか?」

その瞬間――

ガラッ!!

勢いよく扉が開いた。

「イリス…!?」

息を切らして立っていたのは、イリスだった。

だが――様子がおかしい。

目は虚ろで、焦点が合っていない。

手には、小型の装置。

見覚えがあった。

「それ…まさか――」

フィアナの作った、"強制解除装置"に酷似した形状。

だが、違う。

纏っている魔力が、あまりにも“歪”だった。

「スミレ…」

名前を呼ばれる。

けれど、その声に温度はない。

「動かないで」

――ゾクッ

背筋に冷たいものが走る。

「イリス…?どうしたの…」

一歩、近づく。

その瞬間。

「来ないで!!」

拒絶。

同時に――

ガチン。

装置のトリガーが、引かれた。

「っ!!」

閃光。

教室全体を覆うように、魔力が爆ぜる。

「伏せて!!」

直後、衝撃。

窓ガラスが砕け散り、机が吹き飛ぶ。

「くっ…!」

なんとか体勢を保つ。

煙が、ゆっくりと晴れていく。

その先に――

イリスが、立っていた。

「そのまま、動かないで」

冷静だった。行動は、狂気じみてはいるが――

「きっと、救ってみせるから」

その言葉と同時に――

空間が、弾けた。


――――――――センターベース――――――――

《ビー ビー ビー》

警報がなる。

「なんなの!?」

「今までのとはパターンが違います!」

「新手の…敵」

「発生源は……二年一組……?」

しかし、すぐに

「訂正。反応消失!」

ヴェルナが、モニターを睨む。

映し出されているのは――

学園内部。

目を細める。

「最悪ね……内部から、崩れてきたか」

静かに、息を吐く。

そして。

「戦略部、全員に通達」

一瞬で、空気が変わる。

「これは“外敵”じゃない」

間を置いて――

「“内側の崩壊”よ」

画面に映る、歪んだ空間。

その中心にいるのは――

一人の少女。

「絶対に、取り戻しなさい」

低く、強い声。

『はい!』


――――――――高等部一年二組――――――――

「二年の教室へ向かおう。この上の階だからすぐだ」

その時、

《ピーンポーンパーンポーン》

電子音が響く。

校内放送?

《戦略部による軍事クーデターが発生しました》

は?

顔を見合わせる。

《戦略部部員を捕縛して、総統室に連れてきてください。生死は…問いません》

これは…全体洗脳!?

「姑息な…」

生徒の目が、こちらに向く。

「今は…逃げるぞ!」

仕方がない。


――――――――センターベース――――――――

「やはり、本当の敵は人間だったな」

「仕方がない。いつも人の敵は人だ。とはいえ、ラセルフ=ケーセめ…」

ドアが開く。

「すみません。遅くなりました」

「ではこれより…戦略部会合を始めます。今回の議題は……混乱の収束方法です」

「放送部が乗っ取られている以上、情報部の策略と見て間違いないでしょう」

「いくらセンターベースが自律可能空間とはいえ、いつ存在がバレるか…」

「学校を武力で制圧するべきだ」

「それこそクーデターだと非難する口実を作ることになるぞ」

「じゃあどうするんだ!」

「…」

沈黙。

「総員、緊急警報発令時の行動を取るように」

「相手は人間ですよ!」

「かまわん。我らの敵だ」

拳を握る。

「…」

「分かりました」



「はぁ!?人とアレを同じ扱いにする?」

リゼリアが珍しく取り乱している。

「命令よ」

「私の能力(スキル)はそんなことの為にあるんじゃない!」

重力改竄(グラビティ・ハック)は、簡単に人を殺せる。

そのため、リゼリアを出撃させるのは…

殺戮を意味する。

「イヤだ!」

拒む。

「あのね――」

ヴェルナの端末から電子音がなる。

「何?」

『ゼルティア序列第二位のヘリエルですが…遺体で発見されました。何者かに斬られたようです。

後もう一つ、放送部と技術部が戦略部に救助を要請しています。どうしますか?』

「"救助に向かう"と答えて」

『了』

これは…戦争だ。

ゼルティアを舞台とした。



廊下を駆ける。

「チッ…数が多すぎる!」

背後から足音。

完全に包囲されつつある。

「どうする!?」

「突破するしかない!」

曲がり角。

その先――

空間が、歪んでいた。

「ここが……!」

扉は、半壊している。

中に入る。

「イリス!!」

中心に、いる。

「君も…そうなのかな?」

銃口を向ける。



「ついに…始まったな」

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