表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/55

#20 離脱

「見せてみろ。お前たちの“救い”とやらをな」

そう言って、カルナは杖を向ける。

魔力が、異様な速度で収束していく。

「何か来る!」

しかし――それは“普通の攻撃”ではなかった。

遺跡が、動き出した。

生きているかのように。

いや、“従っている”かのように。

それは、明らかに規格外だった。

魔力が“解放”される。

その瞬間――遺跡に刻まれていたシステムが再起動した。

侵入者を排除するための、防衛機構。

それらが一斉に牙を剥く。

光が、四方から降り注ぐ。

「――ッ!」

間一髪で避ける。

だが、反撃の隙がない。

近づこうとすれば、その瞬間に攻撃が飛んでくる。

さらに――

遺跡だけではない。カルナ自身も攻撃に加わっている。

すべてが、カルナの掌の上。

魔力さえあれば、結界内の全てを支配できる。

それが、カルナの固有魔法――

空間支配(エアスペース)

ランクは特殊能力(エクストラ)

だが、その応用は、神格能力(ディヴァイン)にも匹敵する。

そして――

アル=ゼリオの膨大な魔力が、それを極限まで引き上げている。

森羅万象。

あらゆる“モノ”を操る力。

――ただし、生物を除いて。

「今までの私とは違う」

冷たい声が響く。

「救えるなどと……思わないことだ」

そう言い残し、カルナは遺跡の奥へと姿を消した。

攻撃が増す。

地面に、巨大な魔法陣が出現した。

「これは…」

フィアナさんが叫ぶ。

炎華爆発(エクスプロージョン)!?危ない!」

そう言って、防御結界(フィールド)を展開。

僕は、近くにいたルナのもとへ走る。

その時、バリンと音がした。

結界が破れる。

「なっ――!?」


爆発。

土煙が上がる。

「フィアナさん!先輩!」

叫ぶ。

返事はない。

僕は、剣を使ってガードしたから無事ですんだ。

煙が晴れる。

そこには先輩と、守るような態勢のフィアナさんがいた。



「先生!」

先輩が叫ぶ。

「ちょっと…無理しちゃったかもね…」

倒れる。

先輩が、泣きそうな声で言う。

回復魔法(ヒーリング)――」

失敗。

これは…魔法が使えない?

「どうしよう…」

その時に、また音が響いた。

一度聞いた音。

「ヘリ…?」

上から声がする。

「爆発が見えて、嫌な予感がしたので引き返してみたら、どういう状況?」

「フィアナさんが…」

話を聞いたら、

「なるほど、僕が連れて帰るから、後はヨロシク」

そう言って、フィアナさんを乗せて帰っていった。

「最後に…コレ」

そう言って、あの装置をくれた。

「無事だといいんだけど…」

「信じるしかない」

とはいえ、不安だ。

遺跡やカルナに詳しい人がいなくなった。

リスクが上がる。

それでも、前に進むしかなかった。

「まずは、この中に入ることだね」

扉が開いている。

試されている。

一歩、前に踏み出した。

それは、決意に満ちた一歩だった。


扉の向こうは――

静寂だった。

さっきまでの激しい攻撃が嘘のように、音が消えている。

「……逆に怖いね」

先輩が小さく呟く。

同感だった。

一歩、踏み込む。

その瞬間――

ガコン

背後で、扉が閉まった。

「……ですよね」

思わず苦笑する。

戻れない。

進むしかない。

内部は、長い通路になっていた。

壁には無数の魔法陣。

だが――そのほとんどが“壊れている”。

「これ……さっきまで動いてたやつですよね?」

「うん。でも今は止まってる」

つまり。

外だけじゃない。

“中の制御も、カルナ次第”ってことだ。

「試されてる……?」

先輩がぽつりと言う。

その言葉に、妙に納得してしまう。

その時だった。

現れたのは――

人型。

だが、今までのものとは違う。

より“人間に近い”。

そして。

ゆっくりと、こちらに顔を向けた。

「……侵入者……排除……」

掠れた声。

機械じゃない。

“誰かの声”だ。

(まさか……)

嫌な予感が走る。

「白石君、これ……」

先輩も気づいたようだった。

その人型の胸元。

そこには――

見覚えのある紋様。

(操られてる……人間……?)

次の瞬間。

そいつが、こちらに突っ込んできた。

「くっ……!」

剣を構える。

だが、迷いが生まれる。

斬っていいのか?

助けるべきなのか?

その一瞬の迷いが――

致命的だった。

「白石君!!」

先輩の叫び。

間一髪で攻撃を受け止める。

だが、体勢が崩れる。

「迷うな!」

先輩が叫ぶ。

「今は止めることを優先して!」

……そうだ。

これは敵じゃない。

“助ける対象”だ。

「だったら……!」

腰にある装置に手を伸ばす。

フィアナさんから託されたもの。

(これを当てれば……!)

タイミングを測る。

一瞬の隙を狙って――

踏み込む。

明日も更新

祝20話!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ