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#185 幾つもの黒幕

「逃走中のまま、一晩たったわけだけど…これからどうする?」

崩れた塔の側で、僕ら4人は作戦会議をしていた。

「他の神格者の状況が分からない以上、下手に動くのも推奨できません」とシフリスが言う。

それとは逆に、先輩は「今のうちに助けれるだけ助けた方がいいんじゃない?時間が立つとそのぶん捕まる可能性が増えるよ」と言った。

どちらの言うことも一理ある。

決めあぐねていると、フェイタルが言った。

「ルナや"聖霊王"が人質に取られているわけだ。時間をかけるのは悪手だ」

人質――

今まで思いもしなかった言葉。

自分がいま置かれている立場は、二人の命を左右する可能性のある場所。

「…だが、そう簡単にいくとは思えないな」と、フェイタルは改めて言った。

「あの暴力(ミリア=ルナ)の事だ。そう簡単にはくたばらないだろうな」

それを聞いた途端、どこか納得できた。

「きっと大丈夫だ。自分達に今できることをすれば良いさ」

フェイタルが纏めた。

その直後――水色の魔力が流れる。

「この色…シフリスか!?」

三人がその方向を向くと、本人すらも困惑していた。

「これは…?」

異変。

[天罰]によるものだろうか。

それとも、干渉が――

思考を巡らせた直後に、どこからか声が聞こえた。

「よく言った!リアエンド=フェイタルよ!」

その女性の声には聞き覚えがあった。

おもむろに門が立つ。

そして、悠々と出てきたのは――

「…"配縁王"ディストリス=エレン」

彼女はおどけて見せたようだが、こちらからすれば完全なクロ。

もはや悪役にしか見えない。

「言ったでしょう。『私は君の味方』だって」

味方と言われることにここまで抵抗を感じたことは今までなかった。

「勝手にシフリスのスキルを使うな!」とフェイタルが荒げて言う。

しかし、エレンはそれを平然と無視した。

「にしても、『私の子供達の為に自分の恩師を敵に回した』…なんて感動的な響き!あの子達も良い相棒を見つけたのね」

…この人、キャラ変わってないか?

これも[天罰]の影響なのだろうか…?

「それより!他の神格者はどうなっているんですか!?」

シフリスが珍しく大きな声を出した。

すると、再び在所不明の声が聞こえた。

「それは私から教えよう」

そう言って門から登場したのは、"運命王"ディストリス=ファルト。

「2回目…」

フェイタルは悔しそうな顔をしたが、変わらず気にされなかった。

「今、神格者の殆どは捕まっている。私達4人以外は、不明が二人、捕まったのが七人」

淡々と言われる声に、絶望感は籠もっていない。

「それにしても、なぜ君達が巻き込まれて…?」とファルトは言う。

"そんな事知るか"と言いたくなったが、"運命王"は僕らを巻き込みたくなかったのだろうか。

少なくとも、敵意は感じれ――

「どうして旧ラグナ帝国で人体実験を行ったんだ!」

明確な悪があった。

しかし「話すと長くなる。その話は後にしてくれ」と交わされてしまった。

「先に、君の仲間の救出だろう。後でじっくり話す」

…え。もう向かうの?

「これ以上の戦力増加は見込めない」とのこと。

「でも、武器が…」

ポラリスがいなければ、武器を振るうことも――

すると、エレンはもったいぶった表情をして言った。

「子供に出来る事は、親にも出来る。私達が君の武器になろう」

そうして、新たな剣と盾が目の前に生まれる。

「…なんかやな感じ」

兎にも角にも、こうしてリベンジを果たすことになった。

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