#163 能力確認
「"聖霊王"より、ルナ様を前線に出せと司令が入りました。いかが致しますか?」
「何か考えがあってのことだろう。好きにするがいい」
かくして、ルナは一人で前に出ることになった。
「ええ!?仲間一人もいないの!?」
『大丈夫よ。ルナにはおびき寄せるための餌になってもらうだけだから』
ポラリスは落ち着いた声で無情なことを言う。
「"聖霊王"はいいよ。四人も一緒にいるんだもの⋯」
ルナが不貞腐れたようなことを言った。
しかし、ポラリスはそうは感じていない。
(仲間はいても、孤独なのよ。ルナには分からないでしょうけど⋯)
物理的な距離があっては、ルナがいくら心を読めてもそのことは分からなかった。
「パートナーは何しているのかな」
それは退屈なもので、物思いに耽ることしか紛らわせなかった。
一方、こちらは湊。
「あの⋯」
ラファエルの手厚いサポートを受けていた。
「いま、バフをありったけかけています」
道理で、さっきから力がみなぎると思ったのだ。
「情報確認!」
[白石 湊]
種族:ヒト
能力
"聖剣ノ所持者"
・スキル:四大霊王
・身体能力上昇
"法皇ノ加護"
・精神攻撃耐性
・回復速度上昇
・回復魔法:上位回復
"福祉"ノ守護
・基礎攻撃力上昇
・被ダメージ20%軽減
昇華
・体調管理
・情報確認
ちょっと見ない間に凄いことになっていたが、これは殆ど後付のスキルである。
「剣を持っているから」「カノンにつけてもらった」等を除くと、昇華2種だけが残るのだ。
これは非常に不味いのでは?
もし仮に大敗した時、残ったスキルだけではリベンジどころではない。
「俺つえー!」なんて出来るわけがない。
あと、情報確認を昇華していたっけ?
記憶にない強化が行われていた。
どれどれ?"親しい者の情報を覗ける"⋯
はっきり言って弱そうだ。
そう幻滅していると、ラファエルが言った。
「終わりましたよ」
「うん。ありがとう⋯」
体が軽い。
「溜まっていた疲労まで回復させて頂きました。何処か問題が有ればお申し付け下さい」
まるで温泉上がりの気分だ。
「いやー久しぶりだな⋯」
休みたい。
切実な願い。
――閑話休題。
「そうだ。ルナのを覗いてみよう⋯」
そう思い、発動させた時だった。
南側の森林から、魔力を感じた。
「ラファエル。これって⋯」
「対象が出現したようです。使用主を呼びますか?」
「⋯いや、いいや」
何か思い詰めているようだったし、頼りっ放しでもいられない。
「戦わずに勝ってみせる」
「そうですか。私がフォローいたします」
そうして、二人目との戦いが始まった。




