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177/211

#162 ポラリスの視点

投稿されていないことに今気が付きました。疲れは怖いものですね

"聖霊王"エスピリト=ポラリスはご機嫌だった。

今まで待ち続けた自分に、ようやくチャンスが回ってきたのだと。

この機会を逃すまい…そう思って、湊を連れ回していた。

ところが――

「夜中になったら任務に戻らないと――」

など、湊は逢瀬を避けたがるような発言を度々していた。

流石に、そんな事をされては耐え切れるものではない。

そして、腕を掴んだ。

このまま連れ去っても良かったが、その時――

遥か上空に光が見えた。

『ガブリエル。あれは?』

《攻撃です。例の対象者のものと思われます》

『分かったわ』

そして、湊を引っ張る。

丁度よろけた、その瞬間だった。

ドン!と、立っていた場所に大穴が空いた。

そして光…いや、エネルギーの塊が現れる。

《警告!爆発します!》

ガブリエルからの警告を受けて、咄嗟に体が動いた。

「危ない!」

つかんでいた腕をさらに奥へ押しやり、その上に即座に覆いかぶさる。

そして、爆発が起きた。

「…!?」

ポラリスは驚く。

爆発ではなく、湊を押し倒していることに。

(ラッキー!カミサマも捨てたものじゃないね!)

その事を、絶対に顔に出さないように必死だった。

その必死さは、湊には敵襲に対するものだと勘違いされる。

「ポラリスさん!剣に戻って…」

「嫌」

拒否。

別に、剣になるのが嫌というわけではない。

ただ、我慢ならないだけだ。

「私一人でやる。貴方は民間人と一緒に避難して」

「それでも…」

「心配は要らないわ」

どうせ、これだけじゃないんでしょう?

真の狙いがリツカの魂だとするなら、ルナの事を狙ってくるはず。

だったら、真打はこれじゃない。

『ガブリエル。他の異変は?』

《目撃情報が無かった残り2つの街にも爆発があったのとの事。ミカエルとウリエルを向かわせますか?》

『いや、しなくていいわ。本部の動きは?』

《警戒態勢が敷かれています。いつでも出せるようです。それと、対象についての懸念事項が二つあります。一つが、本人の姿や魔力、生命エネルギーに至るまで観測できていません。憶測ですが、"憶奏王"の位置を探っているものと思われます》

『…ま、そうよね』

《もう一つが、スキルの不確実性です。"創壊王"のように物体が持つエネルギーを扱う種類なのは確かですが、のように物体を破壊している訳では無く、そこにあるエネルギーをそのまま利用している可能性がある事です》

『そうなると、エネルギーがあるだけで危険ね』

《"運命王"が行った実験は、我々にも知らされていないのが災いしました。徹底的に問い詰めることを提案します》

『あの二人が今行方を晦ましているのは知っているでしょう?それより、特定して』

《畏まりました。使用主(マスター)》

…親がやらかした事を救うのも親孝行、か。

「全く、厄介な親を持ったものね」

私だったら絶対にしない。

その時は隣に…ふふっ。

《特定終了。首都から少し離れた森林に潜んでいます》

『ありがとう。にしても、森の中…』

《どうかなさいましたか?》

『いや、心当たりがあっただけよ』

《提示をお願いします》

『⋯姿を見たけれど、話した人は誰一人いない』

《目撃情報の中に直接話した人は一人も確認されていません》

『そこが気になるのよ。どんな形であれ何らかのコミュニケーションは取るはず』

《話すタイミングが偶然無いだけと思われます》

『そうかしら?いくら何でも偶然が過ぎない?』

《"運命王"が弄っているとするなら、十分考えられます》

『私はそうとは思わない。目撃者の中に、"目が光っていた"と証言した人がいたわよね』

《ヤクザと呼ばれている人の事ですね》

もうちょっとオブラートに隠しなさい。

『ともかく、本当に目が光るとするならただの人ではないのは明らか。そうよね?』

《比喩でないとするなら、目が光るのは神格者か、はたまた⋯》

『⋯昔、戦争があったのよ。貴方達は知らないでしょうけど⋯』

ラグナ帝国が領土拡大の野心を周囲に向けていた頃の事だ。

国家と国民は似て否なり⋯まさにそのように、当時は反戦ムードが漂っていた。

勿論、それを政府はいいと思わなかった。

デモの参加者を捕らえて、尋問した⋯との記録が残っていた。

《それと今回の件、関係性は限りなく薄いものと思われ⋯》

『話は最後まで聞きなさい。もし政府に、神格者が関わっていたなら⋯?』

《尋問後、実験対象となった可能性があります》

『なら、どんな魔改造をされていても不思議ではない。そう考えるのが妥当でしょう?』

《なら、それについて予想と推測を――》

いや、その必要はなさそうね。

『夜中になれば、必ず来る。ルナを呼んで頂戴』

《畏まりました》

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