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#157 ラスト・フローズン

「どうするの!?後少しで突破されちゃうじゃない!」

取り乱すルナに、先輩が悲痛な面持ちで言った。

「覚悟を決めよう。勝負は1回きり」

「そんな事言ったって…」

まだ作戦らしい事も立てれていない。

「質問です。ルナ様が"氷の魔女"の体に触れさえすれば問題ないのですよね?」

そう言ったのはシフリスだ。

「うん。そこまでどういくか…」

「それなら、私に考えがあります。――」

悟られないように、小声で話していた。

「もうすぐ突破されます!すみません…!」

ラファエルの悲鳴が上がる。

「分かった。今までありがとう」

ラファエルを呼び戻す。

ここから、一度きりの作戦が始まった。


《結界はもう破壊された。隠れる場所が消えて出てきたか》

「全部アンタの思い通り…ってわけには行かせないわよ」

各々がそれぞれの武器を構える。

《抵抗するのを未だ止めぬとは、愚の骨頂だ。敗北は既に決まっている》

「そうかしら。抗う事を止めた瞬間からが敗北よ」

そう言って、セレナは走り出した。

ハルバードを水平に構える。

《珍しい武器だ。しかし、小手先だけでは私には勝てぬ!》

浮遊していた氷を一カ所へと集め、防御――

「本体ガラ空き!」

カノンが後ろから攻撃。

それを、冷瀑被(コンジェラション)は跳んで回避した。

「嘘…」

攻撃後の回避は、シフリスの役割。

「失礼!」

直下にゲートを生成することで、一瞬で撤退。

《なんだ。この程度か…》

「そうかしら。まだ援軍はいるのよ!」

声と共に、豪快な音が響いた。

「フハハハハ!俺様をお呼びか?法皇様――」

そう言いながら、水流壁(ウォーターウォール)を放つ。

ワダツミ、現着――

「…遅い」

「間に合ったのだ、問題はないだろう」

カノンは作戦を共有していたのだ。

《水は凍る。攻撃が届くことはない》

その通り。

なら、利用する。

一瞬で凍ることによって、氷の壁が出現した。

「行くわよ!」

総勢、遠距離攻撃――

《なるほど。見えない壁から攻撃する――》

その時、真横からの噴出音が響く。

「俺もいるぜ。逆噴射(リバースジェット)!」

ジェットの逆噴射により、

ガルドも途中から聞いていた。

しかし、即座に方向転換してガルドの奇襲を受け止める。

「バレていたのか…」

《残念だったな。貴様らの負け――》

その時、冷瀑被(コンジェラション)は気が付いた。

二人足りないことに――

咄嗟に空を見上げる。

雲で覆われているはずの空に、一筋の光が現れていた!

神格者、ミリア=ルナ。

「体、返してもらうよ!」

《この、人間風情が…調子に乗るな!》

直上に向かって氷を放つ。

「ヤバッ…なんてね」

もう一人――白石湊が現れる。

「全部受け切る!」

迫りくる氷を一つずつ斬り、受け流していく。

《クッ…》

始めて、冷瀑被(コンジェラション)が怯んだ。

「人間を舐めるなよ!冷瀑被(コンジェラション)!」

刹那、光柱が冷瀑被(コンジェラション)の体を貫いた。

スキルの意識が消えた。

その瞬間、悪意も――消えた。

残ったのは、綻んだ身体だけだった。

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