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#152 盲目のディストピア

「残るは、初番と二番だけ、か…誰一人殺せなかったではないか」

厳しい口調で攻め入る"氷の魔女"がそこにはいた。

「仕方がないことでしょう。仲間の情と言うやつですかね」

レイズは回復しきってはいたが、顔が真っ青。

「そもそも、効かない奴らがいたことが想定外。情報屋として恥ずべきだ」

他の神格者は全て、我が手を離れた。

皮肉にも、過去自分を使役しようとした奴等が最後まで残っていた。

戦闘能力が無い、ただの無能。

「…こんなのには任せられん。私が出る」

「ならば私も」

レイズが頷く。

災害最後の戦闘が幕を明けた。


「ディストリス夫婦をしばく必要って、本当にあるのかな…?」

はっきり言って何考えているか、そもそも味方なのかすら分からない。

「敵に下手に使われるよりもよっぽどマシでしょ」

そういうルナも、不本意そうだった。

「ホウレンソウもマトモにできないのに、使命だけは一丁前で…」

親に対してとんでもない言いようである。

そう思ったが…気が付いていないのか、

ポラリスは知っていたようだが、どうしてルナが忘れて…

その時、突如として暴風が吹いた。

「――ッ…」

思わず、息を呑む。

そこにいたのは、氷を操る黒髪の女性。

――"氷の魔女"、災害の中心。

咄嗟に我に返り、武器を構え――

武器が無いのを忘れていた。

"氷の魔女"は不敵に笑い、杖を向ける。

そして――氷が出現する。

それは直線軌道で進み、湊へと向かった。

――回避。

すると、姿勢が崩れた所へ、もう一撃…

「…冗談だろ」

魔女の周囲に、大量の氷が出現していた。

その数、約100個。

全て狙ってくるとすれば、流石に避けきれない。

攻撃する間も一切与えない、まさに、一方的な蹂躙。

「殺れ」

腕を振り下ろすと同時に、一斉に動き出す。

受ける手段はない。

よって、ただ走るのみ。

雪が邪魔をするが、死に物狂いで進んだ。

その時、視界にさらなる絶望が襲う。

あちこちで、このような惨劇が起きているのだ。

たとえ防御結界(ディフェンス)があろうとも、突き破られる…

「パートナー!これ!」

ルナがそう言って投げたのは、あの剣だった。

「ポラリスは!?」

すると、剣が光る。

同時に、ある感情が頭に入って来た。

(今はこの方がきっと良い)

意思疎通まで可能…

ならば、コレも。

「四大霊王(ホーリー・バシリアス)!」

結論で言うなら、大成功に近い。

「それぞれが今すべき事をやって!以上」

「ハッ!」

僕がすべき事は、魔女の相手である。

剣を構える。

"氷の魔女"は一度驚いた顔をしたが、すぐに元の表情に戻った。

「最後まで立ちはだかるのは、やはり貴様だったか」

レイズが言った。

「なら、絶望して死ね」

ありったけの氷が、一斉に襲う――

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