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#136 虚幻の虚言癖

「まさか貴方が呼び止めれるとは思ってもいなかったわ」

廊下で壁に凭れるセレナと、偶々通りかかった大男。

「少年が何やらショックを受けているみたいだったからな。見過ごせなかっただけよ」

そして、大男はポーズを決めた。

「今の私、結構かっこいいんじゃないか?」

「自惚れないことね」

セレナが厳しく突っぱねた。

「相変わらず手厳しい事だ」

大男は苦笑した。



「白石、様…?」

カノンは口をポカンと開けている。

「…だから、復活させる方法を教えて下さい!」

机に着くほど頭を下げる。

直後、カノンの泣き声が聞こえた。

「白石様…良かった。もう消えるかと思いましたよ…」

啜り泣く声に、僕は何も言えなかった。

暫くして、カノンは自ら泣き止んだ。

「泣いてばかりでもいられませんね。でも、神格者を蘇らせる方法は私にはよく分かりません」

「そこを何とか!」

「何とかと言われましても…神格者の事でしたら…その仲間に聞くのが一番ですかね」

神格者の仲間か…そう都合よくいる訳…

頭を抱えた時、一人浮かんだ。

「いた。神格者の仲間で、そういう事に詳しそうな人」


空港まで言ったはいいものの、飛行機は欠便。

結果、まだ動いていた海路で向かうことになった。

流石は高速船。3時間程度あれば着くらしい。

しかし――僕たち以外に乗客はいない。

もう避難しきっているのだろう。

そして、もう一つ。

「カノンもついて来るんだね」

柵に持たれて言う。

「白石様だけだと不安ですから!」

カノンは、保護者みたいな顔をしていた。

「帰らなくて良いの?」

「校外学習です!」

遠足の様なノリで向かっている。

「…相性悪いんじゃないかな」

そんな事をふと思った。

「性格ですか?」

「存在だよ」

対岸にはゼルティアが見えていた。


活気のあったゼルティアも、閑古鳥が鳴いていた。

「…ゴーストタウンみたいです」

少し怯えていた。

その時、地面が揺れる。

「な、なんですか!?これ…」

真上にあるあの雲に向かって、ビルの隙間からミサイルが飛ぶ。

「ちょっ、危ないですよヴェルナさん!」

近くにあったカメラに向かって叫ぶ。

すると、攻撃が止んだ。

「――早く行こう。ここは危ない」

カノンも無言で頷く。

そして、学園に向かって走り出した。


道中、忙しなく動く人がいた。

クロードである。

「二之宮か、久しぶりだな。カルナは元気だったか?」

忙しそうに早口で言った。

「僕は今避難経路の確認中なんだが…あ、リゼリアを知らないか?」

その瞬間、胸が詰まる。

「公欠で未だに帰ってきていない。彼女は元気か?」

「…元気ですよ。この雲をどうにかするように頑張ってるみたいです」

咄嗟にウソを付いてしまった。

「そうか。二之宮も頑張れよ!」

そう言って、早足で去っていった。

「大丈夫なのでしょうか。あのような嘘…」

「…きっと元に戻すから、きっと…」

ビルの合間から、夕陽が顔を出していた。

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