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#124 "運命王"ディストリス=ファルト

「こらぁ!"運命王"今度は何するつもりなの!?」

ルナの怒鳴り声が響いたのは、ユラリア郊外のとある場所。

「いい加減他人の運命をしっちゃかめっちゃかにするの止めなさいよ!」

しかし、当人であるはずの"運命王"は振り向かない。

ただ一箇所を見つめるだけだった。

「無視!?いくら最上位だって…」

言いかけたそのタイミングで、隣から別の人が割り入ってきた。

「ちょっと落ち着いて下さい。何があってここに来たんですか」

「落ち着いて?また何かしでかそうとしてるんじゃないの!?」

まさに鬼気迫る迫力で彼女を問い詰める。

「違います。あの人には考えがあって…」

彼女がルナの手を掴む。

まるで無理矢理引きずるように、少し離れたところへと連れて行った。

「…追いかけなくてよかったの?」

先輩が呆気にとられたように言った。

まだ、状況が整理できていないようだ。

こちらも同じだが…

「触らぬ神に祟りなしです。ややこしい事に巻き込まれたくないんで」

「ちょっと意味違う気もするけど…間違いないね」

頷く。


一方、連れ去られたルナは…

「パートナーに聞かせちゃ駄目って言うの?そんな事最初からしなきゃいいのよ!」

「そもそも、貴方はそのためにこれに参入したんでしょう。今更御託を並べた所で何も変わりませんよ」

彼女――"配縁王"ディストリス=エレンは淡々と言う。

「だからって、それはもう終わったはずじゃない。この期に及んで運命をかき乱そうって言ってるの!?」

ルナが圧倒的な気迫で言い放つ。

「第一、そういうのを決める時には当事者と話し合って決めなさいよ!いくら何でもパートナーが可哀想よ!」

そんなルナをエレンは軽く、そして重圧をかけて一蹴した。

「貴方は今までそれをしてきた?身内事になった途端に言い出すのはワガママが過ぎるんじゃないの?」

ルナは少し怯んだような表情になった。

それでも言い返そうとしたが…

それを見たエレンはため息を付いた。

「貴方は今置かれている状況を理解出来てるの?何時迄も子供みたいな事言ってないで私達に協力しなさい」

そしてルナは釈放された。

最後に「私次第で貴方と白石を別れさせることも出来るのよ。あまり調子に乗らないことね」と言ってから。

その後、ルナの顔は真っ青に染まっていた。

あの時の黒幕、フェイタルよりも、レイズよりも恐ろしい存在に…


ルナが何やら連れ去られている間には、"運命王"は既に別の作業をしていた。

少し躊躇ったが、思い切って話しかけてみることにした。

「…"運命王"?さん。いつもルナがお世話になってます。僕は白石湊という者で…」

ああ。言葉遣いがめちゃくちゃだ。

それでも反応してくれたから助かった。

「勿論知っているとも。初めましてではあるがな」

振り向かずに言った。

顔は見えないが、気配でわかる。

"威厳あるおじさん"といった感じだろうか。

無論、ルナと同じでおじさんどころの年齢ではないだろうけど。

「何?私が"おばさん"って言いたいの?」

振り返るとルナがいた。

「いや、そんなつもりじゃ…」

しかし、ルナの顔は普段とは違った。

顔面蒼白と言った感じで、いかにもショックを受けてそうな…

「ルナちゃん傷ついちゃったんじゃない?」

「でも、事実で…」

「レディにそんな事言わないの!」

ルナはさっきの事があったからそんな顔になっているのだが、それを知る由はない。

「本心じゃないから。ただの例えだから!」

湊が慌ててる間に、エレンはファルトに報告を済ませていた。

「懐柔させることは出来ました。少々手荒な手段にはなってしまいましたが」

「仕方がない。もう時間が無いのだ」

「彼らが救われるのはもう少し先になりそうね」

「もしかしたら、救いは来ないのかもしれないがな…」

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