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#12 残響

流星の夜事件(メテオール・ナハト)

この一連の騒動は、後にそう呼ばれることになる。

何者かのスキルによって引き起こされた、隕石の異常接近。

もし衝突していれば

・半径100キロ圏内の壊滅

・周辺区域の長期封鎖

・粉塵による世界規模の食料危機

前代未聞の災厄。

しかし、その被害は

「近くの村の窓が割れた」

という、あり得ないほど小さな規模に抑えられていた。

理由は単純だ。

落下地点の直下に、

それを“受け止め”、無力化できる者が、二人存在していたからである。

だが

記録には残っていない。

その場に、「もう一人」いたという事実は。

その存在は、歴史の裏へ揉み消された。

ゆえに、この事件は後世の研究者たちを悩ませる。

これは本当に偶然だったのか。

あるいは、仕組まれたものだったのか。

一時は、自作自演説すら囁かれた。

だが、それも長くは続かなかった。

後続隊が発見した二人は、

全身に深い損傷を負った、瀕死の状態だったからだ。

その姿は、「演出」などでは到底説明できないものだった。

ゆえに、陰謀論は消えた。

そして、もう一つ不可解な点がある。

事件発生時、後続隊は落下地点から三十キロ離れていた。

それにも関わらず、「わずか十分」で到達している。

説明のつかない事実。

数多の謎。

それらすべては、最終的に

「幸運だった」

という、ギルドマスターの一言で締めくくられた。



――――――――――――――――――――――――


「……はぁ……っ」

呼吸が荒い。

立っているのも、やっとだ。

それでも。

振り返る。

そこに、女がいる。

「私を殺すつもり?」

淡々とした声。

答えない。

ただ、剣を向ける。

これで終わらせる。

終わらせなければならない。

一歩、踏み込む。

力を振り絞る。

「――っ!」

振り下ろす。

刃が、届く。

手応え。

確かな、終わりの感触。

「……これで……」

言葉が、続かない。

力が抜ける。

膝が崩れる。

「終わった……」

倒れ込む。

そのまま、意識が遠のいていく。

最後に聞こえたのは、ガラスが割れた様な音だった。




気がつくと、目の前に、川があった。

静かだ。

風もない。

音もない。

「……あー」

理解する。

「これ……死んだな」

不思議と、怖くはない。

むしろ、安堵していた。

全部、終わった。

守れた。

それでいい。

「……まあ、悪くないか」

一歩、踏み出そうとする。

そのとき。

「――待って」

後ろから、声。

知らない声。

でも

どこか、懐かしい。

振り返る。

そこに、誰かが立っている。

見たことはない。

それなのに。

ずっと前から、知っているような感覚。

「あなたは……」

問いかける。

その途中で、意識が途切れた。

転生編ももうすぐ終わり

明日も投稿

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