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12/201

#11 流星の夜

「やったか……?」

「ちょっと白石君!?それフラグ!」

しまった。

言うんじゃなかった。

煙が晴れる。

そこには――まだ、立っている影。

「ほらぁ……」

「すみません先輩。今はそれどころじゃないです」

先輩も、すぐに表情を引き締める。

「……だね」

確かに手応えはあった。

だが、切れたのはフードだけ。

露わになった素顔。

思わず、息を呑む。

――綺麗だ。

こんな状況じゃなければ、きっと見惚れていた。

でも。

今は違う。

その美しさが、逆に恐ろしい。

「時空跳躍(テレポート)」

女が呟く。

次の瞬間。

周囲に、人型が現れる。

「……八体」

空気が張り詰める。

だが、動かない。

女が、ゆっくりと手を上げた。

そのとき。

首元に、赤い紋様が見えた。

「……あれ」

先輩の目が鋭くなる。

「情報確認(パラメーターチェック)!」

「白石君!」

「どうしました!?」

「あの紋様……あの人以外の魔力が混じってる」

「……え?」

「多分――操られてる」

操られている。

その言葉が、胸に刺さる。

改めて見る。

確かに。

感情がない。

人なのに、人じゃないみたいだ。

「……なら」

やることは、一つ。

「助ける」

小さく呟く。

「先輩。行きましょう」

「うん!」

踏み出す。

その瞬間。

地面に、魔法陣が広がった。

人型たちを頂点に、空間全体を覆うように。

「――まずい!」

「もう遅い」

女の声。

「準備は、完了した」

空を見上げる。

光。

一つ。

「……あれは」

空から、落ちてくる。

流星。

一つじゃない。

無数。

「……っ」

言葉が出ない。

「あれ、全部落ちてきたら……」

先輩の声が震える。

(無理だ)

分かっている。

防げない。

逃げるしかない。

(危なくなったら、逃げろ)

“社長”の言葉がよぎる。

でも。

「……ごめんなさい」

小さく呟く。

足が動く。

逃げる方向じゃない。

逆だ。

「白石君!?」

走る。

怖い。

足が震える。

それでも止まらない。

(ここで逃げたら、きっと後悔する)

中心へ。

女の元へ。

魔力を使い切って、動けないようだ。

落とし前は、後で付けてもらおう。

…

どうやって止めよう。

分からない。

何も考えていない。

それでも――

剣を握る。

(どうせなら、最後くらいカッコつけたいよな)

苦笑する。

流星は、もうすぐそこだ。

涙が滲む。

怖いからか。

悔しいからか。

分からない。

一滴、落ちた。

その中に――光が映る。

赤。

青。

緑。

三つの光。

重なって――

白になる。

「……あれ」

違う。

空じゃない。

「……剣?」

光が、溢れている。

手の中から。

(これなら――!)

だが、遅い。

もう時間がない。

そのとき。

「――攻撃魔法:防御結界(ディフェンス)!」

声。

すぐ隣。

光の壁が、展開される。

「……え」

そこにいたのは。

「先輩!?」

「私を――」

少し怒った声。

でも、どこか笑っている。

「私を、悲劇のヒロインにするつもり?」

息を切らしながら。

それでも、前を向いている。

「君だけ死ぬのは、許さないから」

「……っ」

言葉が出ない。

ただ、頷く。

(間に合う)

今なら。

剣を握る。

光が、集まる。

膨れ上がる。

まるで、応えるように。

恐怖も。

後悔も。

想いも。

全部乗せて、振りかぶる。

「――うおおおおおおッ!!」

振り下ろす。

光が、形を変える。

巨大な刃となって、空を裂く。

迫り来る流星群へ――

叩き込む。

閃光。

轟音。

世界を切り裂く、一撃。

ちょっと長いかも?

明日も投稿

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