#9 能力の解明
「ヤァッ!!」
狭い螺旋階段に、剣戟が響く。
(この距離なら――!)
段差を蹴り、低い位置から斬り上げる。
敵の懐に潜り込む。
手応え。
そのまま押し込む。
前へ。
さらに一歩。
だが――
敵が腕を上げた。
空間が歪む。
目の前に、穴――ゲートが開いた。
「っ!?」
視界が反転する。
足場が消える。
螺旋の中心へ、落ちる。
「――くっ!」
咄嗟に手を伸ばす。
段を掴む。
体が宙にぶら下がる。
「はぁ……っ」
息が荒い。
(前にも開けるのかよ…)
身体を引き上げる。
だが――
「……分かった」
小さく呟く。
さっきの動き。
そして今。
(こいつ……)
「“止まってる時しか”、スキルを使えない」
確信する。
「なら――!」
一気に踏み込む。
止まる暇を与えない。
連撃。
敵が後退する。
そのまま、螺旋の中央へ押し込む。
「落ちろ!」
蹴り飛ばす。
敵の体が宙に浮く。
そのまま、暗闇へと落ちていった。
「次……!」
振り向く。
二体目。
距離を詰める。
止まる前に斬る。
「これで……終わりだ!」
最後の一体も、螺旋の闇へ叩き落とす。
静寂。
「……はぁ」
息を吐く。
下を覗く。
何も見えない。
上がってくる気配もない。
「やっぱりな……」
止まらなければ、あの能力は使えない。
そのとき。
ふっと、視界が揺れた。
「……?」
景色が変わる。
いや――戻った?
「ここ……」
上を見る。
天井。
さっきまでなかったはずの。
「……戻ってきたのか」
塔の内部。
別の階層だ。
正面を見ると、一つの扉。
重厚な、閉ざされた扉。
「……この先に」
鼓動が早くなる。
ドクン、ドクン、と耳に響く。
「先輩がいる……」
手に汗が滲む。
ゆっくりと、手を伸ばす。
逃げたい気持ちと、
進まなければならない意志が、せめぎ合う。
覚悟を決め、扉に手をかける。
――ギィ……
重い音を立てて、扉が開いた。
もっと長くしたかった…!
明日も更新




