第十七章 桜の剣舞と雷の連鎖
聖雷が空から容赦なく落ちてくる中、五人は激しい戦いを続けていた。
零は正面に立ち、鬼哭丸を構えながら次々と技を繰り出した。
「——桜一閃!」
青白い光を纏った刃が美しい弧を描き、三人の重装騎士の盾を同時に切り裂く。
「——桜乱舞!」
連続で閃く剣閃が、八人の騎士を一気に切り倒す。
血しぶきが雨に混じり、桜の花びらが赤く染まって舞い上がった。
蓮も二刀を翻し、軽快に技を放つ。
「——双影旋風!」
二本の刀が風を切り、敵の側面を高速で切り裂く。
「——影月双華!」
左右の刀が交互に閃き、四人の騎士を同時に斬り伏せる。
シルフィアとシルヴァーナの二人が後方から緑色の回復魔法と防御結界を展開し、皆の傷を癒し続けていた。
ルリアは岩陰で体を縮こまらせながら、五人を見つめていた。
「みんな……頑張って……」
しかし敵の攻撃は容赦なかった。
**ガルド・ヴァルハラ**は大剣を振り上げ、冷たい声で叫んだ。
「その程度か、鬼哭の零!
お前の桜など、今日ここで散らしてやる!」
**エレナ・ソルティア**は杖を高く掲げ、狂信的な笑みを浮かべた。
「穢れの王女よ……お前の血は聖なる炎で浄化される!」
**クロード・シルバン**は高所から冷静に矢を放ち、零の動きを分析しながら弱点を狙う。
**バルド・クロムウェル**は巨大な戦斧を振り回し、前衛を力任せに押し込んでくる。
零は歯を食いしばり、新たな技を放った。
「——桜華散華!」
鬼哭丸が高速で回転し、周囲に無数の光の桜の花びらを撒き散らす。
その花びら一つ一つが鋭い斬撃となり、十人以上の騎士を同時に切り裂いた。
蓮も負けじと叫ぶ。
「——双龍乱刃!」
二本の刀が龍のようにうねり、敵の側面を激しく切り刻む。
しかし聖雷の攻撃は止まらない。
巨大な雷の柱が落ちてきて、シルフィアの結界を大きく揺るがす。
シルヴァーナが慌てて追加の回復魔法を展開する。
「みんなの傷を癒します! 耐えてください!」
零の息が荒くなってきた。
体中の傷が再び開き、血が滴り落ちる。
それでも零は前を向いたまま、低く言い放った。
「まだ……倒れん。
お前たち全員を斬り伏せて、ルリアを守り抜く!」
ガルド・ヴァルハラが大剣を構え、嘲るように笑った。
「大言を吐くか、侍。
お前の限界はもう近いぞ」
戦いはさらに激しさを増し、五人は傷つきながらも必死に敵の波に立ち向かっていた。
零の剣が閃くたび、桜の花びらが雨に打たれながら赤く舞い、戦場を彩る。
しかし敵の聖雷と大軍は容赦なく続き、五人の体力が確実に削られていく。
零は内心で思った。
(このままでは……本当に限界が来る。
もっと仲間が必要だ……
この逃避行を生き延びるために……)
雨と雷と桜の花びらが混じり合う戦場で、五人の戦いはまだ続いていた。




