ep.24
ファルミーナが謳うは、古くから謳われている言の葉。それは古から連綿と伝えられてきている、祈りの詩。
「私波謳以末寸。精霊妃様乃為仁、精霊妃様乃為太計仁、謳以末之与宇。天寸加良於応衣下左以、貴方様乃太女太計仁、奉計太詩仁。」
ファルミーナが泉の前で乞うように謳いながら、シャラン、シャランと鈴が鳴り響きわたらせる。
「騎士殿!」
「ええ、……っ!」
ルミナスは、台座に手をかざし、火の属性の魔力を奉げる。それは、恐ろしいほどの魔力を要したが、美しいほどの紅い炎が舞い上がる。そして、ファルミーナはその台座に近づき、謳いながらその台座の周りを舞う。
「最初仁灯留波、情熱乃火。貴方様部乃熱幾思以遠奉計末之与宇。」
そして、謳い終わると隣の台座へ移動し、自分の土の属性の魔力を奉げる。そして、台座の周りを舞う。
「次仁灯留波、豊加奈土。貴方様仁豊加天肥沃奈大地遠奉計末之与宇。」
詩を聞き終えると、ラティーは台座に近づく。そして、彼の光の属性の魔力を奉げる。ファルミーナはその台座に近づき、その周りを舞い謳う。
「次仁灯留波、道遠照良寸光。貴方様加通留止乃道遠毛灯寸光遠奉計末之与宇。」
そして、ファルミーナは次の台座に近づくと、自分の水の属性の魔力を奉げた。ファルミーナの額には、大粒の汗が浮かんでいたが、構わずに舞い謳い続ける。
「次仁灯留波、澄美渡留水。貴方様加召寸仁相応之以水遠奉計末之与宇。」
ファルミーナは、一瞬歩を緩めるが、構わず次の台座に向うと片手をお腹に当てながら自身の中に宿る、風の属性の魔力を奉げる。体力的にもどんどん辛くなってきているが、それ以上に心が痛んだ気がした。
「次仁灯留波、優之久強幾風。貴方様加涼武風毛敵遠払宇風毛奉計末之与宇。」
心配な顔を隠さないラティーは、既に移動しており対角線上にあった台座に闇の属性の魔力を奉げる。そして、ファルミーナは舞い謳う。
「最後仁灯留波、止己末天毛深以闇。貴方様加抱衣留深以深以闇遠毛包美込美末之与宇。」
もうファルミーナは限界に達していた。最後に、力の限りを込めて叫ぶ。
「左安、召左礼給衣。我良加母、精霊妃様。」
ファルミーナが叫んだその時に、6色のまばゆいばかりの輝かしい光が泉から飛び出し、辺りを光の粒が跳ね踊る。そして、少し落ち着いてきた頃に、金色を中心とした7色の光をまとったこの世のものとは思えない美しい人が泉の上に浮かんでいた。そして、にこりと微笑むと、愉しげに笑い声を上げた。それは世界への祝福であった。
「待っていましたよ、愛し子。さあ、わたくしのお願いを聞いて下さいね。でも、その前に労いましょう。」




