理事長、復帰
「校長、お知らせが」
「なんだね教頭。は生徒の楽しそうな姿を見ているのだかね」
「申し訳ございません。ですが、お耳にいれておいてほしい事が御座いまして」
「なんだね」
「理事長が本日より復帰なさいます」
「喜ばしい事ではないか。これで益々この高校は活気が増すばかりだよ」
「いえ、問題なのは、黒田 尽が新祝祭に来ているという情報がありまして」
「なんだと!?」
校長の目の色が変わった。
※ ※ ※
「残り五分」
「トップは二年のやつらしいな」
「ワタシは直ぐに終わっちゃいました」
「?」
妙な雰囲気を感じ取った。
「どうした夏郷、恐いぞ?」
「わっ、わるい」
「そういえば、さっきから教師達が慌ただしいわね」
千景先輩も異変を感じていた。
「おーい」
生徒会の一人、副会長の新田が慌てて来た。
「大変だ! ここの卒業生の黒田が新祝祭に来てるって情報が入った」
「なんですって!?」
「く……ろだ!?」
「羽舞さん!」
羽舞さんが倒れこむ。
「新田、アンタは私と一緒に敷地内の見廻りを」
「あの、一体?」
「詳しくはあとで。とにかく、めぐっちを医務室に連れてって!」
千景先輩の気迫に圧され、俺は羽舞さんを医務室に連れていった。
「待て、わたしも!」
「駄目よ破耶。夏郷君と一緒に居たいのは分かるけど、今は生徒会長としての破耶が必要なの……判って?」
「分かったのだ。何をすればいい」
「いい顔ね。取り敢えず、新祝祭に来ている人たちを体育館に避難させて」
「分かったのだ」
※ ※ ※
「大丈夫?」
「うん。ありがとう、連れてきてくれて」
「気絶しただけだった。心配は要らん」
保険医が説明した。
「でも、どうして気絶なんて」
「……やめてやれ、アヤツの名は我が校の恥だ。
そんなヤツの話など誰もしたがらない」
「?」
「めぐっち、寝ていろ。少しコイツと話をしたい」
「はい」
※ ※ ※
「あの、それで黒田って」
「お前、名前は?」
「飯沼 夏郷です」
「そのネクタイは、二年か」
「あの?」
「黒田 尽は、高校の卒業生だ」
「それが何か」
「一年前、黒田は、我が校の理事長を刺して服役していた。初犯で、理事長も腹を刺されたものの大事には至らなかった為、懲役二年で済んだ」
「二年? あと一年有るんじゃ?」
「模範囚で一年早く出れたらしい。先程、校長から連絡があった」
「でも模範なら!?」
「少しでも早く出所する為なら、黒田でも歯向かいはしないだろさ」
「何のために高校へ!?」
「新祝祭を楽しむ為に来るとは思えない。目的は理事長かもな」
「まさか!?」
「理事長への逆恨みの復讐とかな」
「そんな勝手な!」
「刑務所に入ったのは理事長を刺したから。理事長が居なければ刺すことはなかった。だから復讐してやる……こんな感じなのだろ」
「こうしちゃいられない!」
「夏郷、とか言ったな。相手は人をどんな理由が在ろうと刺した男だ。お前に何が出来る?」
「解らないです。けど、この高校には俺の大事な友達が、仲間が、恋人が居ます。だから!」
「分かった。だが無茶はするな? アタシも役割を果たす」
「はい!……羽舞さんをお願いします」
夏郷は医務室を出た。
「ああいうヤツは嫌いじゃない。夏郷、お前を信じてみよう」
※ ※ ※
「生徒は無事か!?」
「理事長!」
「校長、すまない。自分がきたばっかりに!!」
「貴方のせいではでは有りません! 幸い生徒や来校者は避難してます」
「良かった」
※ ※ ※
「……繋がらない……破耶の携帯に!?」




