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魔の巣食う校舎で私は笑う  作者: 弥生菊美


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41.落着


 



「恨みは晴らせたかな?」


 全てを見届けた3人の背後から女の声がかかる。その女の声が響くと、屋上に残っていた黒い化け物達が逃げるように屋上から姿を消していく、振り返れば扉のひさしの上に座っている白衣の女を見上げる。


沼田と呼ばれた男は、安らかな笑みを浮かべた。


「沼田医師、どうか安らかに……」

 

 白衣の女が告げると沼田医師は、その白衣の女と隣にいた二人に一礼すると、闇に溶けるように消えていった。


それを見届けた後、白衣の女が盛大なため息をつく


「まさか、あのオカルト研の3馬鹿がね……ミイラ取りがなんとやらだ。お松少年、佐倉さん、あれだけ仲の良かった3人が……ね……」


 再びため息をついて二人を見れば、佐倉は申し訳なさそうな顔をして頭を下げる。すると、お松が口の端を吊り上げ何か言いたそうに歩み出ようとするのを、佐倉が左手で服の裾を引っ張り止める。


「バカは死んでも治らないとは正にだね。オカルトバカのお松少年、君の未練はオカルトだけだろ?それだけの為に君はここに残り、婚約者を1人にさせる気かな?悪いことは言わない。大人しく佐倉さんと成仏しなさい」


すると、あからさまにションボリしたお松少年が後ろに下がる。


「フフッ……ありがとうございました桜井先生、ようやく……ようやく解放されます。本当に、ありがとうございました」


 そう言って頭を下げた佐倉の体が薄れ始める。慌てたお松少年が、佐倉の左手を握ると、二人で笑いあう。そして、お松少年と共にこちらを見るとぺこりと軽く頭を下げ、そのまま夜の空気へと溶けていった。


「サヨウナラ、君達なら良い医者になっただろうに……。いつの世も善人が虐げられる。本当に辛いことだよ……。どうか、安らかに眠りなさい。」


そう言って、ひとしきり喪に服した後で「さてとっ!」と言いながらひさしから屋上へと飛び降りる。


「決着も付いたことだし、私もいい加減に自分の仕事をしますかねー。

その為にはアイツに喝入れてやらないと!」


 グググーっと背伸びをして気合を入れ扉のドアノブに手を伸ばすが、彼の無念が私の後ろ髪を引く……。振り返り、お梅少年が落ちた場所を眺めると


「どうか君も、憎しみから解放されて安らかに眠れますように……」


そう言い残すと、扉をくぐりそっと扉を閉めた。



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