表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/23

8.銀髪僕っ子クールビューティーに不足なし。

前回のあらすじ。

お面店長に買い出しを頼まれた真冬と、

一緒に行くことになりました。

どうしよう、どうしよう、どうしよう!!!

心臓の音が、とにかくうるさい。

緊張のせいなのか、体のあちこちから汗がじんわりでる。

それもそのはずだ。だって今、僕は……


「ここが、いつも買い物してるとこ。店名だけでも覚えといてよ。道に迷った時とか、検索すれば出るから」


綺麗な髪が、目の前を掠める。

聖明音、26歳。現在、好きな人と二人きりです。

なんでこうなったのか、今でもよくわからない。

とはいえこれは仕事の買い物だ、デートとかそういうのではない。

そう自分で言い聞かせていないと、気が気でないのだ。


隣に、目の前に、青天目さんがいる。

そう思うだけで、ドキドキが止まらない。

今まで那月さんとか、誰かがいるのが普通だったのにー


「ここ、調味料も自分で作ったものをだしてるから。この店のじゃないと、味が引き出せないとかであの人がうるさいんだよね」


それにしても、綺麗だなぁ……

他の女性と比べても、彼女だけは一段とキラキラ輝いてるようにみえる。

あ、今日はピアス、雪の結晶なんだ。可愛いなぁ。

ほのかに薫る香水は、柑橘系……かな。確か、那月さんからも同じ匂いがしたから、彼女とお揃いとかなのかなぁ……?


「で、珈琲豆なんだけど………聞いてる?」


はっ! しまった、ついうっかり!!

こ、こういう時は……!


「す、すみません!! あまりの綺麗さに見惚れて、聞いてませんでした!!!」


聞いていた、なんて嘘を言ったところで、バレた時がさらに怒られるだけ。

だから包み隠さず、本当のことを言えばいい!

それが、僕のやり方だった。今までも、これからも。


「……それ、わざわざ僕にいう必要ある?」


けれど彼女は、変なものを見るような目で少し顔を顰めさせる。

きょとんとしてる僕に対し、彼女は諦めたように調味料を一瞥しだした。


「君っていい意味で真面目だよね。見惚れてたって、普通は正直にいわないと思うけど」


「だ、だって、本当のことですし! 僕としては二人きりってだけで、気が気じゃないんですから!」


「……前から気になってたけど、なんでそんなに好きなの? 僕のこと」


不意に聞かれ、へ? と声が漏れる。

彼女はあえて僕から目線を逸らし、買う予定のものをセルフレジで通していった。


「普通、男子なら女性らしさがある人が好きでしょ? 那月みたいに、優しくて明るい子とか……僕のどこがいいのかなって」


「確かに那月さんも魅力的な方ですけど……青天目さんには、他の誰にも真似できない魅力がたくさんあります!!」


「たとえば?」


「全部です!!!!!!!」


すごく低い、は? という声が聞こえた気がする。

それでも僕は、なおも続けてみせた。


「まず、銀髪って容姿が最強ですよね! 休憩中に本読んでるの見た時は、もう絵画かなって思ったくらいで! 何度も見惚れちゃいました!」


「………ちょ、君……」


「あと、冷たいように見えて、すごく優しいところ! この前、メニュー覚えきらなかった僕に、さっと助けてくれましたよね!! あれ、かっこよかったなぁ」


「聖ってば」


初めてちゃんと名前を呼ばれた気がして、嬉しさに思わずはいっ! と大きく返事する。

瞬間、視界が急に真っ暗になる。

それが買った荷物だということに気づき、なんとかどかそうとする。

が、意外にも力が強い。まるで、押さえ込まれてるようだ。

それでもなんとか隙間を掻い潜り、彼女の顔をみてみるとー


「それ以上は恥ずかしいから……やめて………」


赤らんだ頬、困ったようにさがる眉。

ひと目見てわかった、照れているということ。

今まで見てきた彼女と、違う。可愛らしくて、なんとも女の子らしい……


「そんな小っ恥ずかしいことを堂々と言えるよね……那月が面白いって言ってた意味、ちょっとだけ分かった気がする」


「あのぉ、ひょっとして青天目さん……照れてます……?」


「照れてない」


「照れてますよね!? せっかくかわいいのに!!」


「かわいいとかいうな」


「だってほんとのことですもん。もっと好きになっちゃったかも、なんて」


彼女の足が、ふいに止まる。

あまりの唐突さに、僕は首をかしげる。

すると彼女は、まるで意を決したかのように、何か言おうと口を動かす。


「どうしました? 青天目さん」


僕の問いに、彼女はハッとする。

瞬間、唇をきつく結んだ彼女は、僕から目を逸らしてー


「……別に、なんでもない」


一瞬にして、彼女は背を向ける。

なんだろう、今の。 さっきまでと、違う顔だったようなー……

そんな違和感を抱きながらも、足早に行く彼女の後ろ姿を、急いで追いかけたのだった。


(つづく!!)


おまけの小ネタ⑦

二人が買い出しに行った頃、お店ではー

お面店長(黄河)「………暇だな( '-' )」


那月「お客さん、全然こないね〜。あの二人、今頃どうしてるかなぁ〜」


お面店長「あいつのことだ、どーせ冷たくあしらってんだろ」


那月「え〜、でも真冬、優しいとこあるんだよ〜? 私と歩くときは、いつも自然に車道側を歩いてくれるし! この前なんて、うちが眠れなくて困ってるって相談したら、ハーブティーくれたんだよ〜(*^^*)」


お面店長「……それ、本当に真冬か?( ・᷄-・᷅ ) 俺の時なんか、荷物は重いのもたすわ、コーヒーの味が違うからもっかいつくれだわ、喧嘩しかふっかけてこねぇぞ( ・᷄ὢ・᷅ ) 」


那月「真冬、こう君には厳しいからね〜でも、それも真冬の良さじゃない?」


お面店長「なんか思い出しただけで腹立ってきた(・-・ꐦ) 帰ってきたらとっちめるか」


那月「もぉ、そんなこといわないの! なんだかんだ仲良しなんだから」


同時刻、明音&真冬はー


真冬「……なんか、すごい悪寒がする……誰か噂してるな……?( ・᷄-・᷅ )」


明音「どうかしました? 青天目さん」


これでもヒロイン枠です。ε-(`・ω・´)フンッ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ