第3話「宇宙魔女男」
ある日、一機の宇宙船が地球に飛来した。だがあまりにも小型だった事と、時間帯が深夜だった事で誰も侵入に気づかなかった。
「こんなに地球に侵入する事が容易いなんて……ワチシ、ツイてるわ。
念願の地球ですもの、好き放題させてもらうわよ。ホーホホホホホホホホホッ!」
宇宙船の中にいた人物は、念願の地球に歓喜して笑い声が止まらなかった。
別の日、ミズキと葵はアジトで、本部にいるソフィーと通信をしていた。
「ご苦労様、2人共。それが例のカプセルね?」
「あぁ。ケースに残っているのは、どれも未使用のカプセルだ。これだけの数を回収できたのは運が良かった……。
それで、いつ本部へ届けたらいい?」
前回の戦いでスラック星人から押収した機械戦闘員のカプセル。
本部へ届ける日程を話し合っていた。
「そうね……そんなに焦らないし、博士も今忙しいから……。
月末の定期決起集会の時でいいわよ」
「随分悠長だな……」
「じゃ、よろしくねー」
ここで、通信は終了した。
ソフィーの提案により、月末の定期決起集会で渡す事になった。
「あの、ミズキさん。
定期決起集会って何ですか?初めて聞くのですが……」
「あぁ……月末までもうすぐだし、その時になればわかるさ」
「えっ、説明してくれても……あ、ちょっと!」
詳しく説明しないまま部屋を出るミズキ。
葵はその場で立ったまま、大きなため息をついた。
「もう、信じらんない!上司として説明不足に疑問を持たないのかしら!
あ、アイス美味しい」
「今日のオススメ、パイナップルアイスだからね。ごゆっくり」
「ありがとうございます、マスター!はぁぁ、美味しい……」
数時間後、Hurryで友梨とアイスを食べる葵。
大好物のアイスを紀夫に出してもらい、ご満悦の様子。
「就職決まったとは聞いていたけど、大変な職場に就いちゃったね、葵」
「確かに大変だけど、やり甲斐はあるんだよ。
ただ、ミズキさん……あ、私の上司ね。その上司がちょっと冷たいというか、不愛想というか……」
主にミズキに対する愚痴だったが、WGSTにいる事は内緒にしているため、言葉を選んで話す葵。
「どんな仕事かよくわからないけど、上司と仲良くできるといいね……」
「うん……。そういえば友梨は仕事どうなの?」
「あ、そうそう……今大変な事件を追っているのよ」
「大変な事件?」
「と言っても、ここ2日間で起こった事なんだけどね。
この近辺で10人もの女性が行方不明になっているみたいなの」
「行方不明!?しかも女の人ばかり……?」
「警察も捜査しているけど、行方不明者の共通点もバラバラでわからないのよね……。
目撃した人によると、突然周りが光ったとか、行方不明者の名前が入ったカードが現場に残るとか」
『不可解過ぎる……もしかして、デスロスが動いているのかな?』
友梨が話す事件を聞いて、葵はデスロスが絡んでいるのではないかと頭の中で考える。
「それじゃ、お疲れ様でした」
「お疲れ、美弥子ちゃん。また明日ね」
その夜、都内の小さなケーキ屋「Fuu-(ー)S」から出て来たアルバイトの女性。
「今日も忙しかったぁ……。明日も頑張らなくちゃ!
ん、何なのこれ……!?」
帰り道を歩いていると、突然足元に魔法陣が浮かび上がる。
「えっ、何!?きゃあああああ!助け……」
誰かに助けを求める前に、女性は魔法陣が光ったと同時に姿を消した。
現場には女性の名前「川島美弥子」の名前が書かれたカードが残った。
翌日、事件を聞いたミズキと葵は現場へと向かう。
「ここですね、事件があったのは」
「もう警察が現場検証していたのか……ん、あれは」
「刑事さん、美弥子ちゃんはどうなったんですか……!?」
「落ち着いてください。我々も捜索中です」
「あぁ美弥子ちゃん、無事でいてよおお……
刑事さん、お願いです!見つけてあげてくださいいい……」
そこでは石川警部がFuu-Sの店長、中村幸次に掴まれながら行方について聞かれていた。中村は心配のあまり、石川警部に泣いて美弥子を捜してほしいと頼み込む。
「店長……という事はFuu-Sの店員が狙われたのか」
「ミズキさん、知っている人ですか?」
「たまにケーキ買うからな。早く見つけてやらないと……!」
中村の様子を見て、ミズキは必ず行方不明者を見つけだすと闘志を燃やした。
「きゃあああああああああ……!」
「……!?」
しかし、直後に近くで悲鳴が聞こえる。
「今の声って……!」
「あの曲がり角か……!」
「あっ、友梨……!」
急いで駆け付けたミズキと葵だが、目の前で友梨が魔法陣に包まれて姿を消した。
「そんな、友梨が……」
膝を落としてショックを受ける葵。
「こんな大胆に行動するとは……
いや、敢えて人の目につく場所でやっているのか……?」
「ミズキさん、これもデスロスの仕業なんでしょうか……?」
「いや、デスロスの機械戦闘員や戦機獣に人を消す能力なんて無いはずだ。
しかもさっきのは魔法陣……別の何かが動いているんだ」
その頃、WGST本部ではティバ博士がミズキから送られたイエローサタンの映像をチェックしていた。
「ファイブレイバーによく似た容姿、そしてこの動き……。
まさかこれは……!」
「博士、何かわかった?」
「ボスも見覚えがあるはずです。どうやらイエローサタンは……ブレイブテクターのプロトタイプを使用していますね」
「プロトタイプを……!?」
ファイブレイバーのブレイブテクターを作った際の基礎となったプロトタイプは、ある事件を境に紛失していたのだった。
「もうかなり前になるけど、いまだにプロトタイプが何処へ行ったのか判明していないのよね……」
「だが、ブレイブテクター開発を知っているのは極限られている……。
我々が知る内の何者かが持ち去って、デスロスのプロフェッサー・ギンギに渡したと思われます」
「きっとそうね……。あまりウカウカしていられないわ。
博士、そろそろ新プロジェクトを開始してもらえない?」
「勿論。ファイブレイバー1人じゃ太刀打ちできない状況は必ず来るからね。
それに、これも完成したわけだし」
ティバ博士は既に新たな4本のブレイブパワーキーを完成させて、新しい武器の製作を開始していた。
「新しいブレイブパワーキーね。4本も助かるわ」
「そのキーと相性の良い武器は、まだ少し時間がかかるがね……」
「そこはミズキが上手く工夫するわ。
よし、このキーは私が直接渡してくるから、留守番よろしく」
「気を付けて行きなよ」
ソフィーは4本のブレイブパワーキーを受け取ると、ミズキに渡すために行動を開始する。
一方、アジトに戻ったミズキと葵は今回の事件解決のための作戦を考えていた。
「行方不明になったのは全員女性。敵が魔法を使う事から、宇宙人で間違いない。
だが、狙われた人達の共通点がわからない……」
「うーん……ん、あれ友梨って確か……!」
「……何か気づいたのか?」
悩むミズキだが、ここで葵がある事に気づく。
「ちょっとプロフィール見せてください。
……やっぱり!友梨もですけど、行方不明者全員長髪で、血液型がA型なんですよ!」
「何……!?
じゃあ、狙っていたのか」
「魔法だったら、簡単に血液型を把握できるんじゃないでしょうか?このままじゃ、また被害者が出ます!
だから、私が囮になります!」
「……は?」
「私もA型ですから。わざと捕まって敵とみんなの居場所を特定しようという作戦です!」
「その案は良いが、お前にその役目は荷が重い」
「じゃあどうするんですか?」
「俺もA型だ。血液型を把握しているのなら……」
「えっ、でも女性しか狙われないのに……まさかっ!」
翌日、街に一人の女性の姿が。
丈の長いスカートに茶色のロングヘアーに帽子を被った女性は、どこか動きがぎこちない。
「……動きにくい」
それもそのはず、ミズキが女装していたからだ。
葵に無茶させないために、自らが囮となるために女装をしているミズキ。
「おっといけない……わ。急いでるんでしたわ」
誰にも怪しまれないように女性として振る舞い、何気なく曲がり角を進む。
「この道を行けば。んっ、これは……!」
すると、ミズキの足元に突然魔法陣が浮かび上がって来る。
「これか!マーキングショットキー!」
ミズキは咄嗟に手持ち鞄からブレイブシューターを取り出し、マーキングショットキーを装填して目の前に見えた電柱へ発信機を放つ。
発信機の取り付けには成功したが、魔法陣と共にどこかへワープしてしまう。
「……ん、ここは……?」
ミズキが辿り着いたのは、薄暗い大きな部屋。
「どこかにワープされたか。現在地は……ブレイブフォンのマップじゃ特定できないか」
ブレイブフォンのマップでは現在地を特定できないと知ったミズキは、すかさず発信機を取り付け、ゆっくりと部屋の奥へと進んでいく。
「発信機は取り付けたし、何かあっても場所を特定できるだろう……。見た所空き家のようだが……ん、この部屋は!」
奥の部屋に行くと、そこには行方不明になっていた女性達が檻に閉じ込められていた。
中にはミイラのように干からびた女性の姿も。
『間違いない、リストにあった行方不明者達だ!
何人か、間に合わなかったのか……。
とにかく、行くしかない』
「……ねぇ、友梨さんあの人……!」
「可哀相に、また誰かが捕まって……えっ、銃!?」
檻の中にいた友梨や美弥子は、女装したミズキが銃を持っているのを見て、不思議に見ていた。
「みんな、すぐ助けるからな」
「そうはいかないわよ!」
みんなを逃がすために檻を壊そうとするミズキだが、そこへ魔女の格好をした男が現れる。
「魔女……?でも男……?」
「ん、あんた女じゃないわね!」
「おわっ……!」
男はすぐに感づいてミズキに指から発射されるビームを放つ。
間一髪回避したミズキだが、その拍子にカツラが落ちてその場全員に男だと気づかれてしまう。
「えっ、男!?」
「何で、女装……?」
「変態……?」
「まさか、こんなに早く見破られるとはな……」
「間違えて男を連れ込むなんて……キーッ!ワチシ最大の不覚!
始末してあげるわ!」
男であるミズキを間違えて連れて来た事を嘆いた男は、ミズキに八つ当たりするように襲い掛かる。
「ぐっ……やなこった!」
胸を掴まれる前に回避したミズキは、ブレイブフォンを左腕に装着。
「この服じゃ動けないからな……!
ファイブレイバー、実装!」
《OK! Techter up FAIBRAVER!!》
ミズキはブレイブフォンにファイブレイバーキーを装填して、ファイブレイバーに変身する。
「えっ、ファイブレイバー!?」
「あの人が……?じゃああの人が最近噂になっているWGST?」
「その姿……地球にもそんな技術があったのね」
「WGST鎧戦士、ファイブレイバー!
お前は一体何者なんだ!?」
友梨や美弥子、檻の中の女性陣がファイブレイバーに驚く中、当のファイブレイバーは男の正体を尋ねる。
「いいわ、教えてあげましょう!
ワチシは宇宙魔女男、ドスコロイナ!」
「宇宙魔女男?」
「そしてファイブレイバー、あなたはここでワチシに殺されるのよ!」
「なっ、うわっ……!」
男は自らを「宇宙魔女男ドスコロイナ」と名乗ると、両掌をファイブレイバーに対して向ける。
すると、掌が光ったと同時にファイブレイバーの身体が浮かび始める。
「はああいっ!」
「ぐわっ……!」
ドスコロイナが腕を上下に振ると、同時にファイブレイバーの身体も浮かんで沈み、天井や地面にぶつかってダメージを受ける。
ダメージを受けたブレイブテクターからは火花が散る。
「くっ、触れずに攻撃できるのか……。だったら、ブレイブシューター!」
どうにか反撃しようと、ホルスターからブレイブシューターを取り出して発砲。
「はあいっ!」
「きゃあああっ……!」
「何っ、銃弾が……!?」
しかし銃弾はドスコロイナが出現させたシールドで跳ね返されて、檻の片隅に命中する。
「飛び道具を使おうとしても無駄よ」
「そのようだな……」
流れ弾に悲鳴をあげる女性陣を見て、ファイブレイバーはブレイブシューターをホルスターに入れる。
「だったら、何がなんでも正面突破だ!ファイブレード!」
ファイブレイバーは立ち上がってファイブレードを装備すると、ドスコロイナに接近して刃を振り下ろす。
「無駄よ、何をやっても」
「ぐっ、またシールド……!」
「吹き飛びなさい!」
「うわあっ……!」
「くらえっ!」
吹き飛ばされて、壁にぶつかると同時に、ドスコロイナが指から放ったビームをくらい、火花を散らしながらダメージを負う。
「ぐあっ……ぐっ……」
ブレイブテクターから煙が立ち、膝をつくファイブレイバー。
「ホーホホホホホホホホホッ!
ワチシに勝とうなんて、考えが甘いわよ!」
「強い……。
だからこそ聞こう。ドスコロイナ、何が狙いなんだ?」
高笑いするドスコロイナを見て、ファイブレイバーは行動の動機を聞く。
「いいわ、折角だから教えてあげましょう!
ワチシの出自を」
余裕を持っているドスコロイナは、自らの出自を話し始める。
「ワチシの一族は宇宙魔法族。
万能なる力、宇宙魔法を操る魔女達を何人も出してきたわ。
男は代々、魔女となる女性を支える裏方の役割を担っていたけど、ワチシの家族は違ったわ……」
「……?」
「ワチシが男として産まれたにかかわらず、ワチシは無理矢理魔女として育てられたわ……。
ワチシに3人も姉様がいたにも関わらず……。
理由は簡単、ワチシの両親は宇宙魔法で全ての星を支配しようと考えていたからよ。
だから、宇宙魔法を使える人間が数多く欲しかったの。
その中で予想外な事態が起こった。それはワチシが姉様達よりも先に宇宙魔法をマスターした事よ。
どうやらワチシには、一族始まって以来の才能があったみたい」
「それで、マスターした宇宙魔法で星々の侵略か……?」
「まだ話に続きがあるわよ。
ワチシが先に宇宙魔法をマスターした事で、妬んだ姉様達はワチシに執拗な虐めをするようになったのよ。左目の傷は、その時についたわ。
ある日我慢できなくなったワチシは、無我夢中で魔法を放っていたわ。そしたら、ワチシを囲んでいた姉様達は跡形も無く消え去っていたわ……。
これでワチシは吹っ切れた。その後は両親や一族一人残らず消滅させてやったわ。
マスターしたワチシが一番偉いんだから、ワチシ以外宇宙魔法使う奴は必要無いのよ!」
「何だと……!?」
「宇宙の支配なんてワチシは興味無いわ。星なんて破壊するために存在するものよ。
これまで宇宙を放浪して、色んな星を滅ぼしたわ……この地球も滅ぼしてあげる」
「女性達を次々攫ったのは、地球を滅ぼすためだというのか?」
「そうよ。それに女はいるだけで目障りだわ!
ワチシをこんな人生にした女は一人残らず消え去るべきなのよ!
だけど、女の血は宇宙魔法に役立つのよね。特にA型の血は相性が良いみたいね。
そこにいる女達から、しっかり血を搾り取ってあげるわ!」
「そんな……」
「嫌っ、死にたくない……!」
ドスコロイナの野望を知り、恐怖のあまり泣き叫ぶ檻の中の女性達。
「……確かに、産まれてすぐ人生を決められるなんて嫌だよな」
「あら、同情してくれるの?」
「だがなドスコロイナ、お前は人生を変えたという宇宙魔法を使っている時点で消滅したというお前の両親の思惑通りなんだよ!
そして、どんな理由があったとしても、多くの命を簡単に奪う事を許すわけにはいかない!
お前の悪しき野望は、俺が打ち砕く!」
話を聞いたファイブレイバーは、ドスコロイナのやり方に怒りを爆発、立ち上がって全力でドスコロイナの野望を止めると宣言する。
「ふっ……ホーホホホホホホホホホッ!
ワチシに傷一つつけられないあんたが何言っているのかしら?」
「……!」
不敵に笑うドスコロイナを見て、ファイブレイバーはある事に気づく。
「どうかな?実はまだ、お前に一撃を与える技が残っていたんだよ」
「何ですって?」
「このファイブレードには、刀身から光線を放つ技があるのさ。
これでなら、攻撃は通る!」
ファイブレードの刀身をドスコロイナに向けるように構えるファイブレイバー。
「へぇ、上手くいくと思って?」
「いくぞっ!」
ファイブレイバーはファイブレードを持ったまま右足を軸にして回転する。
「とぅりゃああああああっ!」
「何っ!?ぎゃあああああああ……!」
すると、正面を向いた所でファイブレードを真っ直ぐ投げ飛ばして、ドスコロイナの右頬をかすめて右耳に付いていた大きなイヤリングに命中。
イヤリングの中には檻の施錠装置が取り付けられていて、壊れた事で檻の扉が開いた。
「檻が開いた!」
「これで外に出られるわ!」
「思った通りだ。そのイヤリングのランプ、点滅の仕方が檻に付いているランプと全く同じだったからな」
「あんた……光線が出るとか嘘だったのね!」
「光線が出る剣とか、あったら欲しいくらいだがな」
イヤリングから檻と同じランプが点滅していた事を見抜いていたファイブレイバーは、ハッタリでドスコロイナを惑わせたのだ。
「よくも……よくもワチシをコケにしてくれたわねええええっ!
絶対に許さないわよ!ぬんっ!」
「スパナを拾った……?」
「宇宙魔法、魔導獣変化!」
不意打ちと頬の切り傷に怒ったドスコロイナは、近くに落ちていたスパナを拾うと、宇宙魔法「魔導獣変化」を使用する。
すると、スパナが一瞬で怪物の姿に変貌した。
「うおおおおおおおおっっ!」
「魔導獣スパーナンよ、ファイブレイバーを倒すのよ!」
「任せてください、ドスコロイナ様!」
ドスコロイナが無機物を生物にする能力で生まれる「魔導獣」スパーナンである。
「魔導獣……喋る怪物か」
「いくぞファイブレイバー!とおおっ!」
「ぐっ……!とりゃっ!」
ドスコロイナの命令を受け、スパーナンはファイブレイバーに攻撃を仕掛ける。
ファイブレードがドスコロイナのいる後方に突き刺さっているため、肉弾戦で挑むファイブレイバー。
「がっ……硬っ!」
「とおっ!」
「ぐわっ……!」
だが、スパーナンの身体の硬さにダメージを通せず、逆にスパナ型の頭からの頭突きでダメージを受けてしまう。
「ぐっ、ファイブレードまで手が届けば……!」
「さぁ、くらえ!」
大ピンチのファイブレイバーに迫るスパーナン。
だが、突然部屋の壁が爆発、外からファイトストライカーと銀色の車が入って来た。
「なっ、一体何よ!?」
「ファイトストライカー!それにあの車は……シルバーマッハリー!?」
「何だこの車ぐわああああっ……!」
「今だ!とぅりゃああああっ!」
ファイトストライカーのストライクバスターから放たれた攻撃でドスコロイナとスパーナンが怯んでいる間に、ファイブレイバーはジャンプして壁に突き刺さったファイブレードを取り戻す。
「よし!」
「ミズキさん!」
「お前……、それにボスも!」
「待たせたわね、ミズキ」
ファイトストライカーの運転席から葵が、銀色の車「シルバーマッハリー」からはソフィーが降りて来る。
「ミズキさん、これを!」
「うおっと!これは、新しいブレイブパワーキー……!」
黒いEマークが描かれた4本のブレイブパワーキーが葵の手からファイブレイバーへと投げ渡される。
「ミズキ、ティバ博士が完成させたエレメントパワーキーよ!使って戦いなさい!
さぁ、みんなはこっちへ!」
ティバ博士が開発した戦闘補助用の「エレメントパワーキー」。
赤、青、緑、黄の4色のキーをホルダーに収納するファイブレイバー。
その間に、ソフィーが友梨や美弥子達女性陣を外へ逃がす。
「おのれ、誰一人逃がさないわよおおおおおおっ!」
怒るドスコロイナ。
「とにかくやるぞ!こいつだ……フレイムパワーキー!」
ブレイブテクターに搭載された解析機能によってエレメントパワーキーについて理解したファイブレイバーは、ファイブレードの鍵穴に赤い「フレイムパワーキー」を装填する。
「うおっ!ファイブレードが……!」
「うおおおおおっ!」
「くらえっ!とぅりゃああああ!」
「ぐわああああ……!」
するとファイブレードの刃が炎を纏う状態になり、迫って来たスパーナンへ斬撃、炎の熱でダメージを通す事に成功した。
「凄い威力だ!炎の熱で、攻撃を有効にしたのか」
「あんな力があったなんて!おのれえええ!」
「行かせません!ウォーターパワーキー!」
ドスコロイナはスパーナンを援護しようとするが、葵がブレイブシューターの鍵穴に青い「ウォーターパワーキー」を装填して発砲。
水のエネルギーを纏った弾丸がドスコロイナの掌に命中。
「ぎゃっ!何よこれ、びしょ濡れじゃなぁぁぁぁいっ!」
水が破裂したかのようにびしょ濡れになったドスコロイナは身動きが取れなくなる。
「私にも、エレメントパワーキーはあるんですよ。
ミズキさん、今です!」
「よし!さぁ、ここらで大トリだ!」
《OK! FAIBRAVER FINISH ATTACK!!》
ファイブレイバーはファイブレードのもう一つの鍵穴にファイブレイバーキーを装填。
「うおおおおおおっ!フレイムスピリットブレェェェェェイク!」
「ぐああああああ……!」
刃に炎を纏った斬撃「フレイムスピリットブレイク」を放ち、スパーナンは爆発した。
「スパーナン……!
おのれファイブレイバー、覚えてらっしゃい!キーッ!」
スパーナンが倒されたのを見て、捨て台詞を残してドスコロイナは姿を消した。
戦いが終わり、部屋の外へ出たミズキはいつもの服装に着替えた。
ファイトストライカーにあらかじめ入れていたのだ。
「こんな空き家があったなんてな、しかも街から結構離れている……。
こんな所にワープさせていたなんてな」
ワープされた場所は街外れの空き家で、ミズキがマーキングショットキーで打ち込んだ発信機によって場所を特定できたのだ。
「葵、あんたWGSTの隊員になってたの!?もっと早く言えば良かったのに」
「あはは、ちょっと事情があってね……なかなか話せなかったのよ。
ごめんけど、内緒にしてね」
助けられた友梨は葵がWGSTの隊員である事に驚くが、葵は内緒にしてくれと頼む。
「あの、助けてくださってどうもありがとうございました」
「いいのよ、気にしないで。
それにしても美弥子ちゃんだっけ?凄い可愛いわねー!お姉さん、仲良くなりたいわ」
「えっ、あのいきなりで……!」
ソフィーは美弥子にナンパをしていた。
「……」
そんな周りのやり取りを横目で見ながら、4本のエレメントパワーキーを手に取るミズキ。
「ドスコロイナ……。
デスロスとは違う新たな敵か」
ドスコロイナという新たな敵の出現に、より一層気を引き締めた。
「はぁ……はぁ……」
時同じくして、宇宙船に戻ったドスコロイナは頬の傷を治す。
「WGST……ファイブレイバー……あんたはワチシを怒らせた!
絶対に絶望させて、地球を滅ぼしてやるわ!」
ドスコロイナはファイブレイバー達WGSTを倒して必ず地球を滅ぼす事を誓った。




