ハッピーエンドの外側。2
慈しみとは——
相手の幸せを願い、苦しみを取り除こうとする
慈愛と恵みの心。
人が人を想う心。
オバケによる魂の解放戦線、《落陽》は、
一見すると過激な行動を取っている。
だけど、その本質は、
優しさ——慈しみだった。
『…でも、それって本当に、
優しいって事なんですかね…?』
『……』
答えの出ない問いに、沈黙が続いた。
——
『オカルトなら、シーナにおまかせです!』
『はーい。久しぶりーシーナちゃん』
シーナちゃんと夢ちゃんは
ハイタッチを交わす。
とゆーわけで、オカルト探偵シーナの出番です。
『なんですか? なんですか?
海中へと、足をひっぱるオバケですか?
シーナ、それ得意分野です!』
『よろしくお願いします。シーナちゃん』
ここのつちゃんが、オカルト探偵におじぎをする。
『こーゆーのって、とってもアンビリバボ類ですが、実際に調査してみると、水の流れや、海底の複雑な地形が原因だったー、あ、あと、水を飲んだりしちゃって、パニック状態だったー、
なんてのはよくある話なんですよね、
でもでも、シーナ的にはここのつちゃんの—』
探偵は、ここで息を吸った。
『事件の唯一の生還者、
ここのつ君の証言を、信じます!
これはオカルトです!』
『あ、ありがとうございます』
——
頼りになるオカルト探偵をお供に、問題の海へ。
みんなは現地を調査する事にした。
『オバケやだなあ…』
マシュマロを食べながら、夢ちゃんだけはまだ、ふるふるしていた。
『夢君、安心したまえ。
このシーナがついているのだからねふふふ。』
なんだか遠足みたい…
歌ちゃんの緊張していた表情が
少しだけやわらいだ。
そろそろ夏の終わり、
夕方の少しひんやりとした風が
歌ちゃんの髪をサラサラと通り過ぎた。
——
『あ!でね、ここのつちゃん…君。』
オカルト探偵が、おにぎりをほおばりながら聞く。
『ここのつ君って、昔から、
霊感とかがあるタイプだったんですか?』
『んー…特にそんな事は無かったですよ?』
『えー?でもでも、オバケの声を聞いたわけだし、シーナ的にはかなりのレベルの霊感だと思うんですよね、』
『んー…』
ここのつちゃんが、少し困った顔で微笑み、
ふっと歌ちゃんを見つめた。
『…ここのつちゃん?』
『私…』
ここのつちゃんは微笑みながら言った。
『もう死んでいるんです。』




