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打ち上げ花火、下から見たい。4



ダイヤモンドの打ち上げ失敗から7日。


ナズナちゃんは、そのショックのあまり、

ふさぎ込んでしまった。


そんなナズナちゃんを心配した、

歌ちゃんだったが、打ち上げ失敗のショックは、

歌ちゃんの心にも深刻なダメージを与えていて、

ナズナちゃんへ、かける言葉さえ見つからなかった。


プロジェクトチームは、悲しみの中にいた。



……夢ちゃん。


チームが足を止めてしまった、

そんな絶望の中でも、ただひとり、

夢ちゃんだけは、かすかな希望の火を灯し続けていた。



『とどけ…』


中指と薬指をふわりと空に向けて、

クルリと、かろやかにひと回り。


そのまま手をおろして、

胸の前で両手をぎゅっと結び、目を閉じた。


お祈りみたいなポーズ。


お祈りが終わると、パッと後ろを振り向いて、

誰にも見られていなかったか、

そっと確認する。


それを、7日。


重力は相変わらず、ふわゆる、で、絵本みたいだったけれど、


なんだか世界中のみんなに、元気がないような、

色あせてしまったような——。



8日目は、朝から雨。


『ナズナちゃん…』


歌ちゃんが、声をかける。


『……』


返事は無い。


雨の音だけが聞こえる。


『ナズナちゃーん! おはよー!』


悲しい雨の音や、静けさを破ったのは夢ちゃん。


『おなかすいたね!』


やけに明るく、

いつも以上にゆるゆるな、夢ちゃんの言葉に、

ナズナちゃんも


『…はい…おなかすきました…』


と、少しだけ微笑んだ。


——



『熱いから、気をつけてくださいね。』


歌ちゃんが、

あたたかなコーンポタージュを。


『…あったかい。おいしい…』


ナズナちゃんは、両手でマグカップを持ち、

歌ちゃんに微笑む。


『きのこの山もおいしいよ?』


夢ちゃんは、ナズナちゃんに笑いかける。


『あ、夢ちゃん先輩、また、さかさまですよ』


歌ちゃんが、いつものやりとりを始めた。


『こっちからでも、おいしいもん。』


夢ちゃんは、

きのこの山の新しい魅力を、発見したようだ。




——その時!




『さかさま!』



ナズナちゃんが、勢いよく立ち上がった。


『ナズナちゃん?』


歌ちゃんが、驚いて声をかける。


『きのこの山、食べる?』



『……さかさまです!』


『うん。おいしいんだよ。こっちからでも。』



ナズナちゃんは、

夢ちゃんから、

さかさまのきのこの山を受け取り、

それを口にほうりこんで、


『おいしい! ありがとう! 

夢ちゃん! 歌ちゃん! ありがとう!』



そう言って、研究室へ走っていった。



ナズナちゃんの心に、

希望の火が再び、灯った瞬間。


夢ちゃん、歌ちゃんは、突然の出来事に、


『…えっと?』


なんて言って、ぼんやーりしていた。



—— 降り続いていた雨が、やんでいた。





















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