打ち上げ花火、下から見たい。3
世界中が注目する、
《ダイヤモンド》の打ち上げの朝。
ナズナちゃん。夢ちゃん。歌ちゃん。
プロジェクトチームは緊張していた。
ナズナちゃんは、緊張しすぎて眠れなかった。
歌ちゃんも緊張しすぎて、メガネをおでこした。
夢ちゃんはきのこの山を、さかさまに食べて、
『夢ちゃん先輩、さかさまですよー』
『あ。まちがえた。』
なんて歌ちゃんに注意された、朝。
そんな感じで、ふわふわと時間は流れ、夕方。
いよいよ…
《打ち上げ花火、下から見たいプロジェクト》
新型花火ダイヤモンドの打ち上げは成功するのか!?
の生中継が始まった。
「リポーターのスズさーん。」
「はい。こちらは、
ダイヤモンド打ち上げ会場です。
生中継でお送りします。」
そんな緊急特番が、ラジオから流れる。
「あ、プロジェクトチームのリーダー、
ナズナちゃんが挨拶するようです…」
緊張した表情で、
たくさんのマイクの前に立つナズナちゃん。
静かに語り出す。
『今日は、ダイヤモンドの打ち上げに、こんなにたくさんの人が集まってくれて、とても感動しています。ありがとうございます。』
ナズナちゃんは、カメラのフラッシュの中、
応援してくれている人達に、感謝の気持ちを伝えた。
『私の長年の夢である、打ち上げ花火…
ダイヤモンドを、絶対に成功させてみせます!』
力強いナズナちゃんの言葉に、打ち上げ会場に集まった人達が歓声を上げる。
『ドーンパチーン!』
『ドンパチ!』
『ドンパチ!』
鳴り止まぬドンパチコールの中、
ナズナちゃんは、傍らで見守るプロジェクトチームの仲間、
夢ちゃん、歌ちゃんを見て、うなずいた。
そして、ゆっくりとダイヤモンドから伸びる、
導火線を手にした。
「いよいよ、導火線に火が点けられます!」
リポーターのスズちゃんの興奮した声。
ドンパチコール。
ジッ! という音からスタートして、
導火線の火は、ダイヤモンドに向かっていく。
ナズナちゃんの夢、
チームの夢、
世界中のみんなの期待を背負って、
ついに、
ダイヤモンドは打ち上げられた!
ドーン!
……
………失敗だった。




