ブルーブラッドの女の子。2
『とりあえず、いろいろ調べてみます、
何かあったら、連絡しますのでー、』
眼鏡です。歌ちゃんが言う。
『はい。よろしくお願いします。』
そうして、ルーナちゃんは、
とりあえず帰宅する事になった。
帰り道の途中、ロケンロTシャツ屋さんがあったので、夏フェスに向けてTMGEやサイサイの、
Tシャツを探してみようかなあ的に店内に入る。
違和感は、
『マシンガンにもエチケットを。』
Tシャツを見ている時だったー…
視線を感じる…。
誰かがじっと、こちらを見ている…。
ルーナちゃんは、
《誰か》の《視線》を感じる方向に、
バッと顔を向ける。
誰も…いない…。
ロケンロTシャツ屋さんには、
もちろん他にもお客様がいたのだが、それぞれ好きバンドTシャツのお宝探しに夢中で、
誰もルーナちゃんを、じっと見ている様子はなかった。
『…やっぱり、私の、気のせいなのかな?』
ー
その違和感な出来事は、ルーナちゃんの日常の中で、たびたび起こった。
様々な場所で、様々な時間に。
扇風機屋さん。本屋さん。絵本屋さん。
靴下屋さん。かき氷屋さん。
夏が始まった合図がした屋さん。
放課後のプールの掃除当番屋さん。
朝のラジオ体操屋さん。
風鈴屋さん。セミの抜け殻屋さん。
麦わら帽子屋さん。ビーチサンダル屋さん。
浮き輪屋さん。わたあめ屋さん。
日焼け止め屋さん。冷やしラムネ屋さん。
かき氷のシロップ屋さん。夕立屋さん。
線香花火の終わりって切ないな屋さん。
花火の残りの夜空の煙屋さん。
涼しい風の通り道屋さん。
アイス溶けかけメルティ屋さん。
まだ明るい夕方屋さん。
なんとなく寂しい帰り道屋さん
夏の終わりの…ハーモニー屋さん。
その度に、ルーナちゃんは視線の正体を
確認するのだが、ずっと未解決のまま。
オバケ的なアレが無いので、これまでは
積極的な対策を取らず、なんとなくもたもたしていたのだか、
こうも頻繁に違和感に違和感されると、
イラつく…てゆーか。
ー
『だんだんとイラつく…
てゆーか。みたいな気持ちです。』
再び、訪れたルーナちゃん。
『わかりました。』
と眼鏡なのは、歌ちゃん。
『あれから、いろいろと調べて、
ルーナちゃんの感じている視線の謎の正体。
それについて、ひとつ仮説をたてました。』
『仮説ですか?それは…どんな…』
『はい。その前にその仮説を立証させるために、確かめたい事があるのでー、』
歌ちゃんは、スッと立ち上がる。
『確かめたい事?』
『はい。私と夢ちゃん先輩は、外に出るので、
しばらくのあいだ、この部屋にルーナちゃん、
1人でいてみてください。』
『私、1人で…?』
『はい。大丈夫です。オバケでは無いですので』
そう言って、歌ちゃんは、
夢ちゃんを連れて部屋の外に。
『ゆっくりしててね。』
ーーーーン
遠く遠く微かに聞こえる、セミの鳴く声。
部屋の中は静かで、
ドアも沈黙してる。




