死なない女の子。1
-273.15℃がそこにあって。
それはわかりやすく言うとゼロKって事になるよね。
夢ちゃんは-274.15℃であった。
今も。
ずっとー。
何かの間違いであってほしいのだけども、
そうなってる以上は、それは仕方ないと思う。
念の為に、本人にも確認してみよう。
『いーんじゃない?』
夢ちゃんが言う。
オッケーだって。
夢ちゃんがそう言うのなら、皆様もそーゆー方向で納得してくださいね。
ーーー。
『この世界から、私が失われようとしてるッス!』
死なない女の子。が来店した。
太陽が燃えているソファに座り、
知恵の輪あそびをしていた夢ちゃん。
『そーなんだ?』
いつも何をしているのかな?
忙しそうにうろうろしていた歌ちゃん。
『…はい?』
『だからッスね、
私が失われようとしてるッス。この世界から。』
『そーなんだ?』
『状況を整理しましょう!』
死なない女の子が語るには、
この世界から自分が失われようとしているらしい。
それは最初ほんの少しの違和感から始まった。
朝、目が覚めると、ふと何かが違う気がする。
花瓶のお花、海に咲くお花。お花屋さんのお花。
気のせいかと思い、最初は気にしないようにしていたが、その違和感は目覚める度にどんどんと強くなり…
ついには、自分が失われようとしている最中なのだと気付いた。怖い!
『違和感の正体はわかったんですか?』
『それはまだよくわかんないッス。』
『じゃあ、なぜ自分が失われている最中だと思ったんですか?』
『それはこれッス!よーく見てください』
そう言って死なない女の子は、
夢ちゃん歌ちゃんの目の前でパーをして見せた。
『指、きれいだね。』
『指が透けているッス!』
『えっ?』
オカルト的なSF的な小説的な展開に、
夢ちゃん歌ちゃんの2人はその指をジッと見つめた。
物語が始まりそうだ。
『透けていないよ?』
『透けていないですね。』
『ほんとッスか?あれ?』
『あっれー?おっかしーッスねー?
確かに指が透けていたんスけどー…』
死なない女の子は
しばらく自分の指を見つめていたが、
すくっと立ち上がり、言った。
『また来るッス!』




