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残酷な天使のテーゼ。2



『ばいばーい!また来るねー!』


セフィーちゃんを教室の前で、

お見送りする歌先生。


軽く手をふりながら。

にこやかな笑顔で。


セフィーちゃんの姿が見えなくなると、

その手は静止。


ふるふると震えはじめた。


『歌ちゃん?どしたの?』


夢ちゃんが聞くと、歌先生は

クルっと振り返って


『ど、ど、ど、どうしようー、

大変な事になっちゃったー!

ゆ、夢ちゃん先輩ー!』


『まって。まって。歌ちゃん落ち着いて』


半泣きで、歌ちゃんが、


どうしよーってなってる。



『大丈夫?歌ちゃん』


『はい。少し落ち着きました…』


『セフィーちゃん、アレだよね?』


『はい。確実にアレです。』


『どうしよっか?いちおーやっとく?』


『はい…お願いします。夢ちゃん先輩。』




『天使のラッパ』

とは、ヨハネの黙示録(8〜9章、11章)に登場する。7人の天使が、世界終末の前に7回ラッパを吹き鳴らし、そのたびに甚大な災害や「神の裁き」が地上にもたらされる描写です。

地球の三分の一が破壊され、海が血に染まり、苦よもぎの星が落ちるなど、人類への警告的な破滅が…


…なんだって。』


『あぁー』


歌ちゃんは両手で顔を覆った。



『ど、どうしよう…ゆ、夢ちゃん先輩…』


『大丈夫だよ。』


終末を前に、なぜか余裕を見せる夢ちゃん。

いつの間にか、スイカバー食べてる。


『だ、大丈夫ですかね?…

世界の終わりだなんて、…私、困ります。』


『だって、セフィーちゃん

まだラッパ吹けないし。

そんなすぐ世界なんて終わんないよ。』


『うーん…』



だが、夢ちゃんの余裕は、

だんだんと余裕では無くなってくる。


セフィーちゃんは、

その後も真面目にレッスンに通った。


時に、なかなか上手くいかずに落ち込み、

涙して、


『もーラッパなんてやめる!』


と、なるが、

そのたびに、歌先生の根気強く優しい

励ましの言葉に勇気づけられ、

自らの足で再び立ち上がり、


ラッパを吹いた。

レッスンの後には、がんばりノートに

『じょうずにできたね!』スタンプを。


一生懸命に、必死に、レッスンを

受け続けた。


そしてついにー


歌ちゃんラッパ教室、

セフィーちゃんの卒業試験の日がやってきた。


『ど、ど、ど、どうしよー、

大変な事になっちゃったー!』


セフィーちゃんには、

ラッパを上手になってもらいたい。

努力する事の素晴らしさを、実感させたい。


それはとても素敵な経験になるから。


…だけど、世界が終わるのは困る、


という、相反する感情に揺れ動く、歌先生。


『セフィーちゃん、

ラッパ、すっごく上手になったねえー、』


『はい。それはとても嬉しいんですけど…』


『うん。世界が終わっちゃう』


『あぁー…』


歌先生が、両手で顔を覆った、



ーその時、風が吹いた。



風と共に…ドアがバーン!



『どうやら、お困りごとのようだね…歌ちゃん。

大丈夫さ。アタイに任せなよ。』



あ!



『メロディ姉さん!』


















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