ガソリンの揺れ方。4
『ゆめにゃーん、かわいいーにゃん』
『えへへ。ありがとメロディ姉さん。』
『これは…何がどうなってるんですか?…』
『全くの謎です。シーナにもわかりません…』
ふにゃふにゃニコニコになってしまった、
メロディ姉さん。
これは…一体…?
ーーーー。時は少し前にさかのぼる。
『細く美しいワイヤー』
でメロディ姉さんに迎えられた3人。
『今日は僕、お酒飲みたいな。』
と、夢ちゃんが言い出したもんだから。
『お酒が飲めるのかい?
まだまだ、ピヨピヨかと思っていたけど、
なかなか…ロマンがあるじゃないか。』
と、メロディ姉さんが乗ってきた。
『みんなで乾杯をしよう。出会いに。
ハーメルンに。そして…今日のよき日に』
なんて言い出して。
『これ、メロディ姉さんにお酒もってきたの。
プレゼント。甘いよ。』
夢ちゃんが水筒から、グラスに注いだのは…
《ミルク・アレテイア》!!
『夢ちゃんからのプレゼントかい?ありがとう。
嬉しいね。ほっぺぷにぷにじゃないか。』
ミルク・アレテイアを飲んだメロディ姉さんは、少しずつふにゃっ。となり、
『ゆめにゃん。ほっぺぷにぷにふわふわにゃ』
となって、
『みんな、ありがとにゃん。
うれしいにゃん。めろめろ。』
となって、今こんな感じ。
ミルク・アレテイア…。
恐るべし悪魔のお酒。
『…僕、ハーメルン伝説の真実を知りたいなー』
夢ちゃんが仕掛けた!
『……誰にも、言わないって約束できるかい?
にゃん。全く…かわいい子にはかなわないな。』
メロディ姉さんは、
キャラのあっちとこっちを行き来しながら、
ハーメルンの笛吹き伝説に秘められた
真実を語りはじめた。
ーーー。
『この街は、もともと寂れた、とてもとても退屈な街だったのさ。にゃ。
子供達は毎日が同じ事の繰り返し、こんな街、
飽き飽きするぜ、なんて嘆いていた。にゃん』
『今の街からは、想像もできないですね。』
『そうさ。うたにゃん。かわいいね。
まつ毛が長いね。毎日が退屈だったんだ…
そんなある日ー、』
メロディ姉さんは遠くを見つめる。
『アイツが現れたんだ。』
『アイツ?』
『そうさ。しーなにゃん。君もかわいいね。
髪の毛ふわふわじゃないか。』
『アイツは笛を吹きながら歌っていたよ…
大人は何もわかっちゃくれねえ。
今夜、退屈な街を抜け出そうぜ。…ってね。』
『…それって』
歌ちゃんが、緊張した顔になる。
『真面目な顔もかわいいね、うたにゃん。
その歌はまるで、ガソリンさ。
アタイらの心を、揺らして。
くすぶっていた小さな火を…
大バーニングさせたのさ、にゃん。』
メロディ姉さんは、フッと小さく笑った。
『ティーンの魂の代弁者…さ。』
『それで、みんな…
その笛吹きについて行ったんですね?…』
『そう。まるでおかしなカーニバルだったよ。
アイツの歌を先頭に、ティーンの行列なんだもの。』
フッとまた小さく笑う。
『自由への失踪…さ。』
やっぱ…かっこいいな。と夢ちゃんは思った。
『そうして、子供達は、
この街からいなくなった…』
『そうさ。ゆめにゃん。足ちっちゃいね。』
『…もう2度と戻っては、来なかった…』
シーナちゃんが、探偵手帳にメモをしている。
『戻ってきたよ?』
『え?』
『子供達が謎の失踪…
てオカルトの伝説じゃなかったんですか?』
『…ただの家出にゃん?』
『え?』
『え?』
『え?』
『にゃ?』




