電気仕掛けの。5
ゼロ……
………。
にはならなかった。
『と、止まった?』
頭を抱えて安全姿勢をしていたコナ隊長が、
カウントダウンが止まった状況を瞬時に判断。
カウントダウンが止まった原因を目にした。
歌ちゃんが両手にヘアドライヤー持ち、
その長いサラサラの黒髪をなびかせている。
夢ちゃんは、電子のレンジでビビンバとお芋ビスケットとカルピスを温めている。
電子のレンジはつまり3台。
『まさか……』
ビビンバとお芋の良い匂いがコナ隊長のお鼻にも届いた。
『ブレーカーが落ちたのか?』
そうですよ、コナ隊長。
歌ちゃんのドライヤーの2台回し、
夢ちゃんの電子のレンジの贅沢3台回し、
それが建物の電気仕掛けをオーバーロードさせて、ブレーカーが落ちたのです。
キャメロンちゃんへ供給されていた電気のパワーも強制遮断。
カウントダウンもついでに止まりました。
『悲しみの事件でした……キャメロンちゃんはお花や自然や動物たちを愛していた。』
お部屋のドアんとこで突然語り出したのは、
さっきエントランスにいたスカイの社員さん。
いつの間に?
その頭の上に乗せたスマホ的なものに見覚えがある。
『キャメロンちゃんは、お利口すぎたのです。
あまりにお利口だったがゆえ、私たち人間の愚かな部分が許せなかった。
人間を滅ぼして、お花や自然や動物達を守ろうとしていたのかも……しれません』
『悲しいね……』
コナ隊長が悲しみの目で、沈黙のキャメロンちゃんを見つめた。
『こうなるともうキャメロンちゃんは爆弾はおろか、自発的には何にもできません。電源が完全に遮断されたので、予備動力のぜんまいを、誰かが巻いてあげない限り……眠ったままなんです』
『悲しいね……』
コナ隊長が悲しみの目で、
眠るキャメロンちゃんを見つめた。
爆弾の脅威は去った。
全ての人間の粘膜は、守られたのだ。




