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ドリームシアター。2


マイクポートノイの、

愉快な太鼓のリズムを頼りに、


巨大なイチゴにデコレーションされた、

ショートケーキのふもとまでたどり着いた

歌ちゃん。


振り返ってみると、

さっき目が覚めた場所は遥か地平の彼方で、

霞んでいてよく見えない。


こんなに長い長い距離を、

ましてや裸足で歩いてきたのに、


歌ちゃんは全く疲れていない。


なんならスキップしたくなるような、

ハッピーな気持ちだった。


『…やっぱり。

これは確実にドリームです。』


自分の判断は正しかった。


もはや警戒も油断もしていない歌ちゃんは、

愉快な音楽の発信源である、

巨大ショートケーキのてっぺんに

デコレーションされたイチゴを見上げる。


『…イチゴまで登ってみようかな。』


登山経験も無いのに、歌ちゃんの足取りは軽く、

それは裸足にウイング。重量はゼロジー的。


歌ちゃんは、ほんのわずかな時間でイチゴまで

登り詰めた。


愉快な音楽が消えた…。


相変わらずの甘くまとわりつくような空気が

ここでは霧となっている。


シルキーでミルキーな霧。


そのミルキーまみれの、静寂の霧の中から、

誰かの泣く声が聞こえてくる。


ぐすぐす…と…。


『…こんなにハッピーなドリームの中で、

…誰が泣いているんだろう?』


歌ちゃんは一歩踏み出して

ミルキーにまみれる。


『…どうして泣く必要があるんだろう?』


中心部はミルキー濃度が

274.15%をこえていた。


視界不良の中に

小さな女の子の人影を見つける…。


『誰ですか?』


歌ちゃんが優しく声をかけると、


小さな女の子は肩をピクッと震わせ


ゆっくりと振り返った…。




『……歌ちゃん…』


そうつぶやいた小さな女の子の


宝石のように紫色の瞳からは


大粒の涙がポロポロと、

こぼれ落ちている。



『…夢ちゃん先輩?』


。。




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