スイートキャンディレイン。2
朝から雨ふり。
屋台の閉店のためいろいろをお片付けして。
ユニコちゃんは、がんばりました。
おいしいものストリートの幸せが立ち並ぶ屋台
そこにぽつんとひとつだけ欠けたとこ。
それを、ふっとみて、ユニコちゃんは
両手にお片付けしたドリーミーを持って
いつもより早くお家に帰りました。
怪我しなくてよかったね。
めでたし
めでたし。
おしまい。
⭐︎
再構築前のお話を。
あのね、これは、もう
《無かった》
お話だから、大丈夫だよ。
———
冬の雨ふりのある日、
ファンシーショップに来店したのは、
肩を落として、とても疲れた顔、
傘もささずにびしょ濡れの、
ユニコちゃん。
うつむいて、ひどく憔悴しきっている。
『風邪……ひいちゃいますよ』
そう言って、歌ちゃんはほわほわの大きなタオルをユニコちゃんにそっと手渡した。
『ありがとうございます……』
『僕、なにかあたたかい飲み物をいれるね』
夢ちゃんも、珍しく気をきかせる。
少しだけ落ち着いたユニコちゃんは、
来店の理由を語る。
『忘れられない声があります……』
涙をいっぱいにこぼして
荒れた唇、かさかさの指先。
必死にお話をするユニコちゃん。
『ゆっくりでいいよ』
夢ちゃんは、ユニコちゃんの冷え切ってしまった手を柔らかく、暖かく包み込むみたいに握る。
——
ユニコちゃんは、
近くのおいしいものストリートと呼ばれる
屋台が並ぶ場所に最近、お店をオープンさせた。
店名は、スイートキャンディレイン。
その名前は、ユニコちゃんの大切な大切な宝物、娘ちゃんのリリカちゃんが、名付けてくれた。
『ありがとう。ママ頑張るね!』
そう言って、お店はスタートした。
ユニコちゃんは、甘い甘いフルーツのキャンディで、みんなをニコニコに、
リリカちゃんと幸せになるためにと、
一所懸命に頑張った。
ユニコちゃんがお店をしている間、リリカちゃんは一人でお留守番。寂しいけれど、頑張ってるママを応援するために、リリカちゃんだって頑張った。
雨ふり。
その日も、ユニコちゃんはお店。
リリカちゃんはお留守番。
を、しているはずだった。
この日リリカちゃんは、お絵描きを。
最近、忙しすぎて少し元気の無いママに
プレゼントをしてあげたい。
クレヨンで画用紙に大好きな
ママの絵を描いた。
ママと手をつないでニコニコしている
リリカちゃんを描いた。
たくさんのキャンディと♡のマークと。
とっても上手にかけたから。
それが原因だった。
リリカちゃんは、かわいい小さな雨靴を履いて、かわいい小さな傘をさして、
スイートキャンディレインに
雨ふりの中を、ひとりで向かった。
冬の冷たい雨ふり。視界の悪い夕方。
おいしいものストリートの屋台の人たちが
目の前で見てしまったもの。
ストリートの前を走る車道。
切り裂くような、ブレーキの音と
激しい衝突音。
吹き飛ばされた小さな
何か。
みんなは
悲鳴をあげた。
その悲鳴は
それを
幸いにも
見なかった
ユニコちゃんの耳にも届いた
おしまい。




