↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
187/224

明けの明星。4。



ふたつの一平ちゃんの前で、


うなだれたまま動かない、

動けない。歌ちゃん。


静寂。

信じられない光景だった。

誰も言葉を発する事が出来なかった。

まさか、マヨビームが外れるなんて。

スタジアムの時間は、止まっていた。


棒立ちになった警備員の間をすり抜けて、

夢ちゃんは、

うなだれたままの歌ちゃんの髪をなでなでして、そっと胸に抱きしめた。


ぎゅ。



るめらちゃんが、声をかける。


『歌選手。素晴らしい戦いをありがとう。』


夢ちゃんの胸に顔をうずめたまま

歌ちゃんのぐすぐすと鼻をすする音。


スタジアムから、断続的なパチパチが鳴り始め、

すぐに大きな大きなパチパチになる。

全力を尽くした両選手への、

リスペクトパチパチ。

鳴り止まない、リスペクトパチパチ。



———。



18年ぶりの、アシュラは、るめら選手の優勝で幕を閉じようとしていた。

閉会のセレモニー。レッドブルのCM。


大会総括をするのは、

大会委員長のバッジョちゃん。



『決勝に相応しい素晴らしい戦いをありがとう。

 るめら選手。歌選手。』


リスペクトパチパチ。


『数々の困難を、試練を乗り越え、戦いに挑む選手の皆さんの全力の姿は、きっと世界中の人々の心に勇気を与えたことでしょう。』


リスペクトパチパチ。


『今回、結果の出なかった選手もいると思います。ですが、どうか胸をはって、顔を上げて、

誇り高くあってください。』


リスペクトパチパチ。涙。


『マヨビームを外す事ができるのは、

マヨビームを発射する勇気を持った者だけです』



涙。パチパチ。涙。リスペクト涙。



『勝者とは、困難の中にあっても

 決してあきらめない人間のことだ。』




どぱちーん。

スタジアムに大きなダイヤモンド花火があがる。

キラキラ。しゃわしゃわ。



夢ちゃんと手を繋いで、

うつむいていた歌ちゃんは、スッと顔をあげて

夜空に咲くダイヤモンドを見上げた。



まだ涙と鼻水でぐずぐず。

ほっぺも目もピンクっく。

その顔は、光の宝石にキラキラと照らされて、

とてもとても綺麗で、


その瞳は、次の戦いに向けて輝いていた。





歌ちゃんのあまりの綺麗さに、ぽんやりと

見とれていた夢ちゃん。



あ、それでも、なんか言わなきゃ。

歌ちゃんを元気にしてあげるんだ。

なんか、んふふ。って笑えるようなのがいいかも。



えっとえっと。




『歌ちゃん……』



『はい……夢ちゃん先輩。』

 





『はなみず かわいいね♡』


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。