誰もさわれないふたりだけの。
『閉ざされた謎のキューブかも? ここ。』
『そうみたいですね。』
『僕、映画で見たもん。』
『私も、見ました。
閉ざされた的なキューブ的な謎的な。』
『とりあえず、どうしたらいいんだっけ?』
『出口を探すんですよ。
痛そうなトラップをクリアしながら』
『痛いのやだな。』
『はい。ですから、できるだけ慎重に……』
超科学みたいな、
閉ざされたされたみたいな謎のキューブの中で、
目が覚めたみたいな私たち。
閉ざされたっぽいので、頑張ります。
生きて帰るぞ。
算数は得意だぞ。
『おなかすいた。』
『え? 夜ごはんまだだったんですか?』
『……あれ? 思い出せない……僕は……』
『うわあ。 映画みたいです。』
『おなかすいたのは、確かだよ。』
『うーん。
ここってウーバーとか来ますかね?』
『大丈夫じゃないかな?』
——15分後、私と……あれ?
私の目の前で、そぼろ三色うまうま丼を食べてる女の子の名前が、思い出せない……。
ほっぺにごはんつぶついてる。
かわいい。
『初めまして。
僕、夢です。よろしくお願いします。』
『あ。 名前まだ聞いてなかったんですね。
はじめまして。私は歌です。』
『おなかいっぱい。ねむねむ……』
『え? ちゃんと歯磨きしなきゃ虫歯になっちゃ いますよ? 夢ちゃん。せ、先輩?』
『はあい……ねむねむ。』
『歩けますか? あ。ほら。手つなぎましょう』
『ありがと。歌ちゃん。大好き♡』
『うふふ♡』
『えへへ。♡』




