確かな熱。ピース。りんりん。
『なんだろ。じつは、あまり意味はわからないけど、勇気が出てきた気分。』
うちはちゃんは、照れた。笑った。
『忍者という形。』
夢ちゃんが、うちはちゃんをぴっと指差す。
『——珍しいな。夢ちゃん先輩が
多くを語っているなんて……』
歌ちゃんはニコニコと、そんなふたりのやり取りを見守る。
『うちはちゃんのやりたいことはなに?
忍者という形にとらわれずに、ね。』
雷がやさしく、うちはちゃんを貫いた。
うちはちゃんは、ポロポロと涙。
わたしの意思。やりたいこと。
そんなこと、考えることさえ、
いつのまにか忘れていた……。
リンリン。
ゆっくり。
ゆっくり。
夢ちゃんも、歌ちゃんも、
ただ静かにそこにいた。
『わたし……』
長い沈黙のあと、うちはちゃんが雷の熱を、
自分の熱へと変換して言った。
『この戦国の世を終わらせたい!
……みんなの幸せを、平和を望みます!』
ピース。
ピース。
『うん。そうしよう。』
夢ちゃんは笑顔。
『ゆっくり。です。』
歌ちゃんも笑顔。
さあ。ミラクル開始!
うちはちゃんは、忍者のアルバイトを円満に辞めて、戦国の世のシステム、争いの原因、そういったものを理解しようと世界情勢、世界経済を学び、それと同時に人々の生活や戦国ならではの困りごとにも目を背けず、政治、経済、福祉、を少しでも幸せにするために頑張った。
もちろん道は未知で、多難。様々な困難、挫折、絶望、失望に心が砕けそうになるが、そのたびに、あの夜の言葉を思い出す
『ピース』
それは、雷。
やわらかく、でも確かな熱となり、
うちはちゃんを優しく支えた。
泣きながら、笑いながら、
うちはちゃんは歩きつづける。
勇気リンリン! うちはちゃん!
そして、
1615年(慶長19年~元和元年)
「大坂の陣」
にて敵国のあばれんぼう。
とよとみちゃんとの直接対談の場にて、
一緒におだんごを食べて、お友達になり、
うちはちゃんはついに、
長く続いた争いの世を終わらせた。
ピース。
ピース。
後にまとめられた、
うちはちゃんの自伝には、
次のような言葉が。
『あの夜の、
あのよくわかんない言葉が、
私の支えでした。
ダメダメな私に勇気をくれた
おだんごの剣士。
黒髪のガンマン。
ふたりを、わたしは忘れません。
ピース。ピース。』




