流れ水のように。
スズムシさんだけが起きている、そんな真夜中。
お布団にくるまり、あんまんパーティの夢を見ていた夢ちゃんは、
「こそこそ。」
といった、怪しげな物音で目を覚ました。
『なんだろ? ねむねむ。』
あんまんおいしかったな。
次は大きなあひるさんのフロートで、
おだやかな波の上をぷかぷかしたいな。
南国リゾートの夢を見ようかな。
少しだけそう考えて、夢ちゃんは、また寝た。
「こそこそ。」
『……なんですか?』
草木が眠り、スズムシだけが起きている
丑三つ時。
怪しげなこそこそ音に目を覚ましたのは、
歌ちゃん。
こそこそ音は、屋根裏から聞こえてくる。
『こんな真夜中に、誰かが屋根裏を
お散歩でもしているんですかね?』
歌ちゃんは、こそこそ音の正体を探るために、
お部屋のとこのまに飾られていた、
ロンギヌスの槍を手にした。
「こそこそ。」
『えい。』
ロンギヌスのおしりで、天井の板をトン。
『わあ。見つかった!』
天井の板がコミカルに外れて、
コミカルに落っこちてきたのは、
『こんばんは。拙者は、忍者です。』
『こんばんは。歌です。はじめまして。』
『うちは。といいます。』
何やら始まりそうな雰囲気に、
南国リゾート中の夢ちゃんが戻ってきた。
日焼け止めを塗っている途中だった。
『こんばんは。僕は夢だよ。ねむねむ。』
『うちはです。こんばんは。』
ベッドルームの間接照明ほんわり。
夢ちゃん、歌ちゃん、うちはちゃん。
スズムシさんリンリン。




