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ちくわ。
『ちくわ、知ってる?』
『知ってますよ。おいしいよね。』
『ちくわの真ん中の穴から
空気を吸うと、おいしいよね。』
『それ、なんかわかる気がする。』
『絶対音感があります、私。』
『え?そうなの?すごいじゃん。』
『メー。』
『なんですか?』
『それは、ルーですね。』
『…もしかして、今、ドレミを当てているの?』
『絶対音感ですから。』
『……さっきのちくわを吸う音は?』
『スー。』
『大丈夫かなあ、本当かなあ?』
『絶対音感ですから。』
『ピアノで音を鳴らしてみます。
はい。これは?』
『ネー。』
『次はこれ。』
『ムー。』
『……これ。』
『E。』
『眠いんですか?』
『眠くはないですよ?』
『夜は眠れてますか?』
『はい。おかげさまで。』
『絶対音感のお話は、また今度にしよっかな』
『わかりました。また遊ぼうね。
ちくわっておいしいよね。』
『ちくわおいしいですね。』
『いつ食べても、おいしい。絶対に。』
『少し大げさな気もするけど、
まあおいしいですね。』
『絶対に。』
『まあ、絶対といえばそうなのかも。』
『あのですね、』
『はい。』
『この世に、絶対なものは無いんですよ。』
『ちくわ食べましょ。』




