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ハサミ。1



顔が180度、反対を向いている女の子。


ただそこに立っているだけ。


不吉な予感。


トンネルの中。



——



『映画館みたいなお家です。』


《すみっこぐらし》


の女の子が来店した。


名前は、ビダルちゃん。



『映画がお好きなんですか?』


歌ちゃんが、暖炉色のテーブルでお話を聞く。


『ホントの映画館ではなくて、

映画館みたいに、大きな広い広いお家です。』



——ビダルちゃんは、お金持ち。


トンネルの先にある素敵な場所に、

映画館みたいな大きな広いお家を建てて

1人で暮らしている。


大きくて、広くて、こだわりのワンルーム。


かわいらしい小さなキッチンと、

優しそうなベッド。



『だけど、夜、眠るとき、私ひとり暮らしだから、とてもさみしいんです。』


ビダルちゃんは悲しそうな顔。


『最初は、ワンルームの真ん中に、

ベッドをおいて、そこで眠っていたのだけど、

夜の暗闇に、ポツンとひとりぼっち……。

寂しくて眠れなかったんです。』


『なんだか、寂しいの。わかる。』


夢ちゃん、こくんとする。


『それで、いまでは、お部屋のすみっこ。

そこにベッドを持ってきて、眠っています。』


『……すみっこ、ですか…。』


事件簿を記入する歌ちゃん。

えんぴつを持つ手は、今日は左。


『はい。それでも夜はやっぱ寂しくて。』


『たくさんのぬいぐるみと一緒に眠るとか…』


夢ちゃんが言う。


『そうしてるんだけど、やっぱり……』


ビダルちゃんは目をふせた。



ぬいぐるみでも埋められない

ビダルちゃんのすみっこぐらしの孤独。



『わかりました。一度ビダルちゃんのお部屋を

見させてもらっていいですか?』


歌ちゃんがえんぴつを置いた。


『はい。それは大丈夫ですけど……』


『ビダルちゃんが、夜眠る時に寂しさを感じないように、お部屋をコーディネートしてみます。』


『コーディネート…ですか?』



『はい。まかせてみてください。私…

お部屋コーディネーターの資格を持ってるので』




——



ビダルちゃんのお家のコーディネート作戦。



歌ちゃんは、いろいろ準備を始めた。


その様子を見ながら、夢ちゃんが言った。



『歌ちゃん、すごい。

コーディネーターさんだったんだ?』



クスッと少し照れた笑顔で、

歌ちゃんが言った。



『たぶん……このお話だけですよ。』



















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