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死なない女の子。6

ー虚舟(うつろ舟)とは。

江戸時代に日本各地の文献に登場する、

UFOの先駆けともいわれる怪奇物語。

江戸時代(1803年とされる)常陸国の海岸に

見知らぬ奇妙な形の舟が漂着したという記録。


特徴: 舟は上部がガラス(または水晶)張り、

下部が鉄で補強された、

円盤のような形をしていたどら焼き。


…っなんだよ〜!』


『えっ?今の説明って

夢ちゃん先輩が喋っていたんですか?』


『そうだよー』


『すごいです!』


『えへへ』


さあ!


いよいよクライマックスが近づいて来ましたね!

回収し忘れた伏線はないですか?


『どら焼き…。』


どら焼きをじっと見ていた

ルンルンちゃんルンちゃん。


『思い出したッス!』


『私達、このどら焼きで

お空からやって来たッス!』


ええー?


『じゃ…じゃあ…記憶喪失だったり、

指が透けてたりっていう

思わせぶりなアレはなんだったんですか?』


『わかんないッス!』


『電池切れだよー。』


『えっ?』


『夢ちゃん、

ルンルンちゃんとルンちゃんは双子座だよね?』


『はい。あ…でも、夢ちゃん先輩…

そのお話の時には、いなかったですよね?』


『そっスよー。夢ちゃんいなかったッス!』


『まあまあ。

でね、双子座のギリシャ神話ってね、3500年とか、5000年前とか言われてるの。』


『…5000年?』


『そう。双子座が生まれたのはー、

5000年前なんだよ。』


『…?』


『……??』



『そんな長持ちする電池なんかないよ。』


『!!!』


なんと!


双子座の女の子、ルンルンちゃんとルンちゃんは電池で動いていたのだ!


『なんかそう言われると、

そうだったような、そんな気がして来たッス!』


『ゆっくり思い出してきたかな?』


そう言いながら

夢ちゃんはルンルンちゃんとルンちゃんの後ろに回り込んだ。


『電池入れるとこ 見っけ!』


その電池ボックスを優しく取り出しながら、

夢ちゃんがその手にしていたモノは…

単四電池。


『ずっとね、ずっと、お空でキラキラと光っていたら、電池も切れちゃうよね…はい。

これでオッケーだよ』


電池を新品に交換された

ルンルンちゃんとルンちゃん。


『今、全てを思い出しました。

ありがとうございます夢さん。』


『いーよー。』


『…えっと…』


歌ちゃんは考えるのをやめた。

すると不思議と気持ちが楽になった。


記憶喪失→電池切れ。

指の透け→電池切れ。 


『これで、もう何の心配も無く、

お空に帰れるね。』


『はい。いろいろとご迷惑をおかけしました。

こんなに優しくしていだいて、

助けていただいて…

私達姉妹は天空に帰っても、夢さん歌さん、

お2人の事をいつまでも

忘れません…。』


『…もしかして、

もうお別れが始まっている感じですか?』


このままでは呆然としている間に、

お別れも言えないまま、

ルンルンちゃんルンちゃんはお空へと帰っていってしまう。


いや、完全に復活した2人はもはや

ルンルンさん、ルンさんだ。


そんなの寂しい。そんなの悲しい。

ちゃんとお別れをしなきゃ、

と必死の思いで歌ちゃんは気を持ち直した。


どら焼きは静かにその時を待つ…。



















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