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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・勇者と宗教大国編

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宗教大国に行く前に

 目が覚めて、隣にいるディルクを観察した。まつ毛長いなぁ。軽くほっぺにちゅーしました。私の旦那様、寝ててもカッコいい。うっとりして見つめていたら、ディルクの頬が赤らんできました。


「あの…朝から可愛いことしないでください。襲いたくなる」


「…………どうぞ?」


「だ、だから………もう!可愛いなぁ」


「ん…くすぐったい」


 朝からいたしてしまいました。新婚だから仕方ない…よね?





 身支度を整えるディルクの隣で私も手早く着替える。


「ディルク」


「何?」


「ディルクは全属性持ちになりました。おめでとう」


「………へ?」


 神様達とのやりとりを説明しました。


「…ロザリンドはセインティアに行くの?」


「できれば今日中に行きます。クラリンがすぐ捕獲できればいいけど」


「仕事はなんとかする!俺も行くからね!」


 昨日大半は私も手伝って片付いてるから、まあ大丈夫かな。来てもらうつもりではいた。


「頼りにしてます、旦那様。悪い虫を全力で叩き潰してくださいね」


「任せて」





 とりあえずディルクをバートン侯爵邸に送り、やって来ました、魔法院。


「クラリンはどこかなぁ……」


「ロザリンド?」


「エルンスト!ちょうど良かった」


 エルンストにお願いして飛行機魔具を借りることに。


「俺もそっち方面に用があるからついでだ」


「ありがとう。ところで、クラリン知らない?え?後ろ……………いたああああ!!」


 クラリンは何故か私の背後にいた。気配!気配無かった!すごいわクラリン!恐ろしいじっちゃん!


「ロザリン、クラリンに何かご用?」


「一緒にセインティアに行ってほしいんです!」


「いや」


「クラリン?」


「クラリン、あの人たち嫌い」


 あの人たちが誰かはわからないが、セインティアで嫌な思いをしたということなのかな?


「…クラリン、実は……」


 私はクラリンに事情を話した。クラリンは黙って話を聞いていたのか寝てたのか…微妙だったが多分聞いていたらしい。


「オッケー、ロザリン!魔法少女蔵之助!緊急出動よ!」


 ビシッとポーズを決めるクラリン。


「ありがとう、クラリン!」


「…俺も行くか?」


 エルンストも心配そうだが…彼が人質にされたら正直困る。そう告げたら、彼は苦笑して無茶はするなよと言ってくれた。






 ディルクはお義父様に不在中の仕事を任せてきたらしく、先にローゼンベルク邸で待っていた。


「待たせてごめんね?」


「いや、大丈夫だよ」


「もう少しだけ待っててくれる?」


「構わないけど…」


「いえ、どうせならディルクも飾ろう。ド派手に行こうかな!」


「……まあ、構わないよ。珍しいね」


「嫌いな相手に威嚇は必須です」


「………ろくでもないことをしにいくのはわかったよ」


「あはは…ろくでもないことを先にやらかしたのは向こうだけどね。クラリン、しばらくはおとなしくしててね?」


「うん、わかったわロザリン。クラリンお利口さんにする」


 何事も、下準備が大事だよね?すでにできるメイドがいるし…腹黒い王子様にお手紙したら、了解いただきました。兄にもちゃんとお話ししましたよ。


 というわけで、ロザリンド!いっきまぁぁす!

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