とりあえず文句を言いたい
あらかじめ彼方さんにお願いして、夢をお借りすることになりました。勇者になったことについて……彼方さんに爆笑されました。ちくしょうめ。
「…彼方さん、そんなに笑ってると、可愛いお子様にあることあること吹き込みますよ」
「大変申し訳ありませんでした。勘弁してください」
見事な土下座に免じてゆるしてあげました。そんなくだらないやりとりをしていたら、神達を連れてきたポッポちゃん。
「ポッポちゃん」
「ポッポ」
「はい」
ポッポちゃんは洗濯板みたいな板に正座させられ、石を抱かされた神様達を台車でガラガラと連れて…いや、運んできました。
これ、私のせい!?私のせいなの!?
私は正座とは言ったが、拷問しろとは言ってないよ!?せいぜい足がしびれて身悶えるのをツンツンしてやるぐらいしか考えてなかったよ!?
なんというか…ナナメ上過ぎるわああああ!!
「やりすぎです!」
「やりすぎや!」
「………そうですか?」
とりあえず、神様達は解放されました。
「酷いよ、ロザリンド」
「……いや、マジで濡れ衣!私は正座させろとしか言ってません!」
「「「…ポッポぉぉ!!」」」「………(涙目)」
「クルッポー」
誤魔化すポッポちゃん。あの、君の見た目は文鳥であって鳩じゃないからその鳴き声は不自然ですよ……いや、それ以前に今人間の姿やないかーい(混乱)
「とにかく、勝手なことをやらかしたのはこれで許してあげます」
「…はあ…いたた…ありがとう」
「あ、妾は他にプレゼントがあるわよー」
「…なんですか?」
「ディルクに天啓『全属性解放』をあげたの。これでロザリンドとも指輪とも同調が可能よ」
「ミスティア」
「なぁに?」
「もおおおお、ディルクがこれ以上強くなったらますます勝てないじゃないですかぁぁ!!」
「あばばばばば」
美女…いや絶世の、美女神をガクガクさせたらあばばと言いました。色々残念です。
「ロザリンドにも天啓あげるから!それに、魔に対抗するなら全属性は必ず助けになるし!」
「仕方ない、許します」
ミスティアは涙目である。まあ、確かにディルクが聖属性も使えれば安心だ。指輪もさらに使いこなせるだろう。
「あれ?でもディルクの属性は闇では?」
「ロザリンドのつがいよ?元から全属性の素養があったのよ。それを天啓が助けて開花させたの」
「なるほど。で、私には何の天啓をくれるんですか?」
「もうあげたんだけどね?既に『魔力可視化』は使いこなしているようね」
「え?」
「魔力の可視化が可能になるのよ。きっと役に立つわ」
これからやることを考えたら、確かにそうだろう。魔力感知能力が上がった気がしたのは気のせいじゃなかったようだ。
「ありがとう」
えへへ、と笑うミスティアはやはり美しいです。うむ、目の保養。
「勇者よ」
「拒否」
「「……………」」
そして、相変わらず仲悪い私とインジェンス。
「………そんっなに私が嫌いか!?」
「いや、別に。勇者と呼ばれるのが気にくわないだけ」
7年の付き合いで、インジェンスはいじると面白いと学んだ私。別に嫌ってはいない。
「……天啓を受けてくれ。必ずや力になる」
「…何を?」
「ロザリンドなら使いこなせるはずだ。天啓は『並列思考』…使いこなせば魔術を最大5種同時発動も可能だ」
「わかりました」
というわけで、4柱の神全員から天啓をいただきました。
「…ロザリンドちゃん、もはや魔王と手を組まんでも世界を滅ぼせるんちゃう?」
「………しないから!」
出来なくもない気がしなくもないが…確実に言えるのはしないの一言だ。
「あ、セインティアにはクラノスケを連れて行くといいよ」
「クラリンですか?」
「そっちじゃなく、クラノスケね。詳しく聞くといい。ロザリンドは確実にフルボッコしたくなるよ。さすがに目に余るからねぇ」
「ふーん。シヴァがセインティアをフルボッコにしたい理由は?」
「聞いたら、ロザリンドはすぐにでもセインティアに行くだろうね」
「さっさと言いなよ」
「ロザリンドちゃん…」
「はい」
「怖い!笑顔がむっちゃ怖い!怒りで魔力漏れてんで!なんか痛い!怒ってんのはわかる!俺も腹立ってるけど、なんかヤバい!痛い!」
「…失礼。私としたことが……シヴァ様、勇者として…神の使者として…この任務をお受けいたします」
「……うん。それ、直訳するとその話、乗ったぁ!シヴァの依頼にして大暴れだぜ!で合ってる?」
「大体あってる」
「あってんの!?気持ちはわかるけど!まあ…ロザリンドちゃんなら上手いことどーにかするやろな…頼んだで」
「はい!全力でフルボッコですよ!」
「そっちかい!」
彼方さんにつっこまれつつ、お開きとなりました。とりあえず、急いでセインティアに向かう必要がありそうです。




