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トルコ石  作者: 葉櫻
三、恋人
22/44

3-1

一頭の揚羽蝶が、不釣り合いに重そうな鮮やかな色を背負って、ゆらゆらと木々の間を飛んでいた。


虫取り網がその軌跡を追い、一瞬の隙をついて顔の上から被さった。網に体が絡め取られて初めて、揚羽蝶は自分の不運に気づいた。次の瞬間、自由という権利は、無邪気な悪意の中に呑み込まれて消えていった。


「捕まえた!」


景蘿ジンルオは虫取り網の口を握って、揚羽蝶をその中に閉じ込めた。


景蘿ジンルオの友人が近づいてきて、興味深そうに網を覗き込んで聞いた。「蝶、捕まえたの?」


「うん、ちょっと見せて」昆虫の羽がもがく手触りに少し抵抗を感じながら、景蘿ジンルオは羽を傷つけないよう気をつけて網の中を確かめた。「あ、違う、間違えた」


自由を取り戻した揚羽蝶は力いっぱい翅を動かし、怯えたように青空へ逃げていった。


友人は蝶が飛んでいくのを見て言った。「蝶じゃん、なんで放したの?」


「捕まえたかったのは光る蝶なの、これじゃなくて。太陽が強すぎてよく見えなかった」


「見間違えたんでしょ、光る蝶なんているわけないじゃん」


景蘿ジンルオは説明するのも面倒に思った。自分にしか見えないものがあることには、もうずっと前から慣れていた。鹿の角を持つ銀色のウサギを見たこともあるし、薔薇とチューリップがひそひそ話しているのを聞いたこともある。これらは隠しておかなければならない秘密だった。さもなければ精神科の先生と話すことになる。小さい頃なら想像力が豊かだと言われて済むが、大きくなってからこんなことを言えば、頭がおかしいと思われるだけだ。わからない人にいくら説明しても無駄だった。さっき確かに、淡く光る蝶を見た。でも木陰から飛び出したら、太陽の下ではその姿を見つけるのが難しくなった。


「魚釣りに行く?」


景蘿ジンルオは断った。「川辺は好きじゃないから。後でみんなのところに行くよ」


「早く来てね」


友人が去るのを見送ってから、景蘿ジンルオは森の奥へと歩いていった。今日は厳しい暑さのせいで、訪れる人も特に少なかった。


少し前まで虫の声や蛙の声が夏を喧しく切り裂いていたが、今やそれらの声も、酷暑の足音と共に去りゆこうとしていた。


体の小さい彼女は、高く尖った垂木垣を越えられず、下の隙間から這って通り抜けるしかなかった。それほどまで頑張ったのは、垂木垣の向こう側に広がる一面のコスモス畑へ行きたかったからだ。起き上がると、真っ白な服についた汚れが目について、思わず舌打ちした。せめてもの救いは、口うるさい兄がいないことだ。家に帰ったら服を洗濯機に放り込めば済む。


虫取り網についた埃を払って、景蘿ジンルオは麦わら帽子を被り直した。


(あの蝶を絶対見つけなきゃ!花畑から来たのは確かに見えたんだから)


長い間歩いても、目の前の景色は今にも蒸し暑さの中で歪んで消えてしまいそうだった。体力がないわけではなく、この天気が単純に暑すぎるのだ。秋はいつ来るのだろう。


景蘿ジンルオは道端の大きな石に腰を下ろした。これでスカートがさらに汚れた。


水分補給をしているとき、軽やかな影が視界の中をひらひらと飛んできた。彼女はすぐに水筒を置いた。


光る蝶だ!


「待って!」景蘿ジンルオは飛び跳ねるように立ち上がり、虫取り網を握って蝶への奇襲を開始した!


蝶の飛び方は遅いのに、躱すのがとても上手だった。何度も空振りして、彼女は転びそうになりながらも追いかけた。


「待ってってば!」


景蘿ジンルオの懇願を無視して、蝶は木の洞へ飛び込んだ。


木の洞?


太い木の根元に近づき、景蘿ジンルオはしゃがんで目を細めて洞を覗き込んだ。


(なんで蝶があの中に?秘密基地でもあるのかな)


ここで待っていれば、いつか出てくるだろう。そう思いつつも、景蘿ジンルオは元から気が短い性格だった。木の洞に近づき、蝶が逃げられそうな道を体で塞ぎながら、彼女は手を洞の中に差し込んだ。


涼しいかすかな風が伝わってきた。


(貫通してるんだ、蝶はもう逃げちゃったんだ)


それでも諦めきれず、景蘿ジンルオは洞の中を探り続けた。意外なことに、何にも触れなかった。木の幹そのものにさえ手が当たらない。


(おかしい、この洞は確かに人一人入れるくらい大きいけど、なんで縁にも触れないの?)


彼女は手を抜き、洞の外から木の皮をなぞって探っていった。


内部の形は……とても不思議だった。外見はまっすぐな木の幹なのに、触った感触は壺のような形をしている。壺と言ってもそう小さくはなく、縁を辿っていくと、まるで境界の見えない球体の空間を探っているような感じだった。


木の洞の中の風が少し強くなった。


何かに引かれるような衝動が、景蘿ジンルオを動かした。自分でもなぜそうしているのかわからないまま、彼女はもう一方の手も洞に差し込み、それから上半身まで中へ突き入れた。


風が強くなったのではなく、彼女が近づいたのだ。何かの核心に。


どんなに滑稽な姿勢になっても構わず、今、彼女はその風の源に切実に近づきたかった。これはもう単なる好奇心ではなかった。漆黒の中で、彼女の目には何も映らなかった。


体勢が崩れて、景蘿ジンルオは木の洞の中へ落ちていった。落ちる途中になってやっと、悲鳴を上げることを思い出した。


頭上から差し込む光の筋がどんどん細くなっていき、すぐに見えなくなった。


(地面に着いたら絶対痛いはず!)


(下にたくさんの落ち葉が積もっていて、受け止めてくれますように)


風が服の中に吹き込んできて、落ちていく感覚は不思議なほど爽快だった。

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